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ムッソリーニの処刑33

时间: 2019-11-21    进入日语论坛
核心提示:「ドゥチェがいたっ!」 ドイツ軍兵士の点検を行うに当って、ペドロとファルマイアーの敵味方双方は、お互い紳士として武力行使
(单词翻译:双击或拖选)
「ドゥチェがいたっ!」
 
 ドイツ軍兵士の点検を行うに当って、ペドロとファルマイアーの敵味方双方は、お互い紳士として武力行使はしないことで合意していた。それは双方に好都合なことであった。チェックは兵士とその認識票が合致するかを調べることにあった。
ナチ親衛隊のキスナットとビルツェルは、ムッソリーニのことが心配でならなかった。統帥には泥酔したフリを続けさせ、同じトラック内のドイツ兵らにも「泥酔した兵士と言え」と言いふくめておいた。ドイツ軍の車両が次々停止すると、パルティザン達は手分けして各トラックにうしろから飛び乗って点検を開始した。
 この時の状況は、実際に点検に加わったパルティザン達によって、戦後早々さまざまなルポルタージュが書かれている。それらの多くは自分の功名話として語られており、客観性に欠けるうらみがあるが、もっとも信頼できる説明としては、村長ジュゼッペ・ルビーニによる記述が上げられている。これは点検にたずさわったパルティザン一人ひとりから詳しく事情を聴取し、翌五月とさらに十月の二度にわたって当時を再構築し、正確さで知られる報告である(注1)。
いずれにしても、ムッソリーニはこのドンゴで逮捕されることになるのだが、以下このルビーニ報告を基礎に、劇的な統帥逮捕の瞬間を再現してみる。
 ドンゴの村役場前広場には、騒ぎを聞きつけて村民らが集ってきた。パルティザンによる点検が始まったのは(四月二十七日)午後二時十五分頃であった。
パルティザンの主役は、「ビル」ことウルバーノ・ラッザーロ以下、次の八人である。ドンゴのジュゼッペ・ネグリ、同リツィエーリ・モルテーニ、同ウーゴ・トルニ、同カルロ・オルテッリ、運転手バッティスタ・ピラッリ、元財務警察の将軍フランチェスコ・ディ・パオラ、土地測量士ヴィンチェンツォ・モッタレッラ、それに村長ルビーニである。
まずネグリは第五番目に入ってきたトラックに駆け寄り、ドイツ兵士一人ずつチェックを始めた。そのトラックの奥の右隅に一人の兵士が鉄帽を顔の上に載せ、外套の襟を立ててうずくまっていた。起き上がらないのはこの兵士だけで、あとの数人は反対側にかたまって立っていた。チェックを受ける間、立っているドイツ兵は皆、うずくまっている兵士を見下しながらニヤニヤ笑っていた。
その兵士は眠っているように見えた。両膝の間に自動小銃をはさんでいる。
ネグリがこの兵士に手をかけようとすると、立っている兵士らが「酔っぱらっているんだ。ブドウ酒を飲み過ぎて……」と、ネグリにつぶやいた。
このトラックにディ・パオラ将軍も飛び乗ってきた。ちょうど、ネグリがその「酔っぱらい兵士」の肩を軽くゆさぶっているところだった。パルティザン達は、点検に入る前「閣僚多数が逮捕されているし、この中に統帥がいるとの情報もあるので、十分念入りに調べよ」と命令されていた。
ネグリはこの兵士のそばに近寄って見た時、「おやっ? これは統帥かな?」との疑いが頭をよぎった。よく見ると、あの見覚えのある大きなあご——。「はっ」とした。「これは統帥に間違いない!」と彼は確信した。
一瞬、他のドイツ兵にさとられぬよう、隣のディ・パオラ将軍に目くばせし、そのままトラックを飛び降りて、幹部のビルを捜しにその場を離れた。
その左のトラックのチェックを終えたルビーニとモッタレッラが、ネグリと入れ代りに何も知らずにそのトラックに乗り込んだ。中の数人のドイツ兵の顔に、サッと緊張感が走ったのをルビーニは見逃さなかった。
モッタレッラも、ただ一人でうずくまっているドイツ兵を見て、「あれ? 何だ。この兵士は……」と思ったが、すぐそれは「統帥?」との疑いに変った。
ルビーニは黙ったまま、トラックを降り、近くにいたオルテッリとピラッリに「おかしいんだ!」とひと言だけ、耳打ちした。トラックの横では、キスナット少佐が緊張した面持で立ちつくしていた。
モッタレッラは、誰かが来るまでディ・パオラ将軍とそのトラックの中に留まっていた。
不意にモルテーニとトルニ、つづいてネグリとビルが、そのトラックに飛び乗ってきた。
いつの間にか、うずくまっていたドイツ兵はサングラスをかけていた。
モッタレッラとビルが、その兵士のそばに歩み寄って、声をかけた。
「イタリア人?」
その兵士は無言のままだった。しかし、一瞬ためらったあと、腰を上げながら小声でイタリア語を話した。
「イタリア人だ!」
高鳴る胸を押えて、ビルはそっと鉄帽を手で持ちあげた。続いて、外套の襟をおろした。イタリア人なら誰もが知っている人物だった!
思わず、ビルは口を開いた。
「カヴァリエーレ・ベニト・ムッソリーニ?」
カヴァリエーレとは「騎士」を意味し、その爵位の称号である。
トラックの中はシーンと静まり返り、誰もが身を固くしていた。切迫した空気がピリピリと走った。無言のムッソリーニは、荷台のへりにつかまりながら、立ち上がろうとした。
ビルはムッソリーニの膝の間の小銃を取り上げ、傍に来たピラッリに手渡した。
ムッソリーニは自分で、身につけていた自動拳銃をはずして、ビルの手に差し出した。
ビルはこの時のことを「時間も人間も、なにもかも停止してしまっていた瞬間だった」と言っている。ピーンと張りつめた緊張の中で、トラックの中にいた他のドイツ兵らも、身動きもせずに成り行きを見守るだけであった。まったく抵抗はなかった。
誰かがバタンと、トラックの荷台のうしろの柵をはずした。
「ムッソリーニだ!」
「統帥だッ!」
あたりにざわめきの声があがった。
キスナットも、ビルツェルも、何の手も打てなかった。
ムッソリーニがトラックから降りるのを、下にいたオルテッリが腕を貸して支えた。
ルビーニ、ビル、オルテッリらが、統帥をかこむようにして、十数メートル離れた村役場の中に連行した。
ついにムッソリーニは捕ったのだ!
クラレッタも変装を見破られて捕った。ムッソでパルティザンに捕った内相パオロ・ゼルヴィーノ、官房副長官フランチェスコ・マリア・バラク、人民文化相フェルナンド・メッツァソマ、情報相カルロ・リヴェラーノ、国営通信社長エルネスト・ダクヮンノその他ファシスト党首脳部の面々も、あとから村役場に連行された。クラレッタの弟は自称スペイン外交官と名乗ったが、これも見破られて捕った。
点検がすべて終了したのは、午後四時頃であった。ファルマイアー中尉は、ドイツ隊を率いてさっさと北部に向った。その中にはムッソリーニ逮捕を阻止できずうちひしがれたキスナット、ビルツェルもいた。
 役場の一室の細長いテーブルの前に立った統帥に、第五十二ガリバルディ旅団の政治副委員長であるビルが告げた。
「私はイタリア国民の名において、閣下を逮捕する」
低いが、毅然とした声であった。
役場の外から、村民達が大声で「ドゥチェが捕った」と騒いでいる声が聞えた。
村長ルビーニがムッソリーニに言った。
「どうぞ御安心を。危害を加えるようなことはありませんから」
「ドンゴの村民達は、寛大だと思っている」
ムッソリーニは落着いて、そう答えた。
その場でビルは簡単にムッソリーニを尋問した。
「なぜ戦争を始めたのか?」「なぜドイツ側についたのか?」「なぜ、パルティザンに対して暴行を加えるのを許したのか?」などであった。他のパルティザンが、「あの一九二四年六月のマッテオッティ殺害事件は誰が命令したのか?」と、反ファシズム陣営が決して忘れられないことも持ち出した。
これらに対して、ムッソリーニはキチンと答えたが、すべて自分は関係ないとし、特に戦争関係についてはドイツに一切の責任があるとした。
パルティザンはムッソリーニが手離さずにいる黒革鞄の中身も調べた。〈SEGRETO(極秘)〉と書かれた書類のほか、スイスへの通過書類、ヒットラーとの交信文書、ヴェローナ裁判関係書類、ポンド貨、スイス紙幣、小切手類などで特に重要なものはなかった。ただし書類はムッソリーニにとっては、弁明の有力材料となるものであることは間違いなかった。
夕方、ムッソ集落で逃走したパヴォリーニが役場に連行されてきた。暴行を受けたのか、傷だらけになっていた。それでもムッソリーニの姿を見て、右手を高くあげたファシスト式敬礼をした。パヴォリーニと同様、役場に集められた他のファシスト党幹部らも、ムッソリーニに対してはあくまでも統帥としてあがめ、礼を失する態度をとるものは一人もいなかった。パルティザンにとって、これは大きな驚きであった。
 ムッソリーニは、こうしてついに捕った。統帥として二度目の逮捕となった。前回は四三年七月二十五日、ローマの国王別邸サヴォイア荘においてであった。こんどのドンゴでの統帥逮捕は山中の寒村での出来事であり、地方のパルティザンにとっては重荷過ぎる超大物逮捕であった。
山間の日暮れは早い。すっかり暗くなった役場内で、パルティザン側は幹部が善処を協議し続けた。責任はあまりにも重大であった。ムッソリーニ逮捕はすでに村民に知れ渡っている。武装ファシスト集団がいつ身柄の奪還にやって来ないとも限らない。パルティザンの責任者ペドロは、急ぎムッソリーニ逮捕の事実をミラノの国民解放委員会に報告し、同時に貴重な虜囚の安全を確保するため、ムッソリーニの身柄を極秘にドンゴ北西ジェルマジーノ山中にある財務警察監視隊舎屋に、ペドロ、ビルら四人で移送した。ムッソリーニの監視責任者は財務警察軍曹のジォルジォ・ブッフェッリが当ることになった。ほかに若手二人のパルティザンが加わった。
ペドロがドンゴに戻ろうとした時、ムッソリーニは彼に頼み込んだ。
「一緒に捕っているあの婦人に、私がよろしく言っていたと、ぜひとも伝えて欲しい」
「了解した」
ペドロはあの女性がクラレッタであることを知っていた。
帰るとすぐ、ペドロは他のファシストと一緒にいるペタッチを訪ねて、ムッソリーニからの伝言を伝えた。クラレッタは最初、「ムッソリーニのことは知らない」とシラを切っていた。何らかの策略と思ったのだろう。だがペドロが自分を知っていることが分ると、急に涙ぐみ、ついには激情にもだえるようにして哀願し続けた。
「私を統帥のところにぜひ連れて行って下さい」
ペドロは幹部と話し合い、彼女の願いをかなえることにした。
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