仕事で仙台に行って来た。去年もやった、ラジオのCMのコピーコンテストの審査員。ラジオCMを面白くしようとしてか、このようなコンテストは最近たくさん行われているみたい。しかしラジオのCMって、まだ面白くなる気配ってないよね。だってラジオのCMで面白かったものって何か思い出せる? 別にまあ、いいけどさ。
さあ仕事が終わったらおいしいもん食べて飲み会だぞう。食事が終わってもう一軒、という時に「私はここで失礼します」と言って去ろうとした地元の放送局の部長さんも「なあにィー?」とおどして連行だい。
行った先は、例によってカラオケもあるスナック。バンドやってると、一度はカラオケ嫌いになるが、あんまり機会が多いんで、わたしゃもう、慣れた。でも勝手なもんで、たとえへたでも連れの人が歌うにはかわいいが、知らない人のへたな歌はやだ。イエーと言えば、センキュウと返ってくるような人ならともかく、あんまりいないじゃん、そんな人。
そこでもいたよ。かわいくないおっちゃんが。すわったままで、マイクは下のほうをあげる感じにななめに持って「薔薇《ばら》」「恋」「君」「びんぼう絵描き」「待つ」「部屋」なんて単語が並ぶ歌を、次々と歌ってんの、ひとりで酔って。あーあ。あたしゃなんとかそのおじさんのロマンチック攻撃にケリを入れようと、うるさい歌をぎゃあぎゃあ歌ってお店の若い女の子を喜ばせましたわ。
そして翌日、私は大好きな松島水族館に行く前に、真ん前の食堂で笹かまぼこでビール飲んでた。と、そばで飲んでたおじさんに話しかけられた。彼は私の黒のマニキュアを見て、「いやあ、東京の人はやっぱセンスいいねえ」「でももとは九州だよ」「いやあ、もう東京の人にしか見えないよ。マニキュアなんかねえ、仙台では赤だよ、赤」。そりゃ普通赤なのは知ってるけどさ、とほほほほ。