先週のこの欄で、「ロンドンで合流した二つの雑誌の人たちが仲良くしてくんないのよ、困っちゃうわ」なんて書いたんだけど、先に日本へ帰った一人の方はともかく、私と同行してる人の方はぜったいそれを読めないはずだった。そしたら、アムステルダムからアントワープに向かう列車の中で朝日新聞広げて『お仕事メレンゲ』読んでるじゃない!
「げっ、どうしたの、それ」「前に座ってる日本人の女性が貸してくれたんですよアハハハハ……」「すっごい偶然ねえ、とても信じられないわ、アハハハ……」。気の抜けたような笑い声をユニゾンさせながらも目だけはマジな私と彼であった。
ところで、私はもう日本に帰ってきていつものように仕事してる。時差ぼけっていうのを私はどんな症状なのか知らないんだけど、あれはやっぱり規則正しい生活をしている人たちだけがなるのかしら。だとすると私は普段からずっと時差ぼけ状態でいるわけ? かもしんないな、とほほ。
帰りの飛行機でのこと。ビジネスクラスとかいうのに座ったせいか、お客はほとんど背広の人。特に私のまわりは日本のそういう人たちばっかだったんだけどさー、聞いてよ。いくら喫煙席だって、ひっきりなしに吸うこたあないんじゃない? 人がめし食ってるときくらい、普通やめるぜ。それが、私の真ん前の席のおっちゃん。で、私の隣には、私の席のシートベルトを自分のと無理やり結合させて気付かないわ、私が足を上げないと取れないところにアタッシェケース置いてるわの、困ったちゃんおじさん。その上その人、シートベルトを直すときも、私がその人のアタッシェケースのために足を上げて協力してあげたときも、私に「すいません」ひとつ言わなかったくせに、外国人のスチュワードにはにたにたしながら「せんきゅう」とか言ってんの。たいしたビジネスマンたちだよ、まったく。