十月二十一日
引きつづきの嵐いよいよ激し。食わず眠らず、一同|只《ただ》アカを汲む。この日、三四郎船倉より梯子《はしご》に登らんとして頭を打ち、アカの中に倒る。勝五郎抱き上げて名を呼ぶも答えず、幾人かにて二の間に運び移す。死にたるやと鼻に手を当つるに、かすかに息する気配《けはい》。勝五郎|附《つ》き添いて看病すれば、夜に至りて目をあけしとぞ。肩をも打ち、傷つきいたり。
引きつづきの嵐いよいよ激し。食わず眠らず、一同|只《ただ》アカを汲む。この日、三四郎船倉より梯子《はしご》に登らんとして頭を打ち、アカの中に倒る。勝五郎抱き上げて名を呼ぶも答えず、幾人かにて二の間に運び移す。死にたるやと鼻に手を当つるに、かすかに息する気配《けはい》。勝五郎|附《つ》き添いて看病すれば、夜に至りて目をあけしとぞ。肩をも打ち、傷つきいたり。