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創造の人生61

时间: 2020-10-28    进入日语论坛
核心提示:システム工学 井深がNASAの「アポロ計画」に関心をもったのは、昭和四十四年のことであった。当時、井深は、経済同友会の科
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 システム工学
 
 井深がNASAの「アポロ計画」に関心をもったのは、昭和四十四年のことであった。当時、井深は、経済同友会の科学技術推進委員会の委員長として多彩な活動をしていた。あるとき委員会で取り上げたテーマが「企業の研究・開発は今後どうあるべきか」という問題であった。その一環として東海道新幹線プロジェクトの推進者であった国鉄の島秀雄技師長(のち宇宙開発事業団理事長)の話を聞く機会をもった。島技師長は、ソニー中研所長の島常務の実兄にあたる人だ。
 その話のなかで、井深がとくに心を惹かれたことは、新幹線プロジェクトは着手から完成まで五年ときわめて短期間に限定したため、新しい技術、とりわけ技術革新というようなものは存在しなかったという点である。つまり、既成技術の組合せで新幹線は建設されたということになる。それを確認するため、土木工事全般の指揮をとった大石重成新幹線総局長、篠原計司鉄道技研所長、さらに総大将の十河信二前国鉄総裁を次々に招き、それぞれの立場から詳細な話を聞いた。その結果、基本的には鉄道事業再建に情熱を燃やす関係者の説得の積み上げでまとまったものであることをはじめて知った。
 新幹線建設計画が国の事業として発表されたとき、万里の長城・ピラミッド・戦艦大和建造という「世界の三バカ」に次ぐものと酷評された。そのため関係者は批判者一人ひとりを説得して回り、建設計画の了解をとったという。
 井深がこの一連の勉強会を通じて得た貴重な教訓であった。現在は〈技術革新万能〉の時代はすぎさり、身近にある技術を活用する時代に移っている。そのことを周知させることが大事なのだと思った。
 井深の追究はさらに深まる。世界最大のプロジェクトといわれるNASAの「アポロ計画」のシステムを探ってみることだった。関係者がどう発想し、どんな人間がどう動き、どうやって完成に漕ぎつけたか、それが知りたいと思った。この構想を委員会の仲間にすると「新幹線流の勉強を、ぜひNASAでやってみたい」という希望者がたくさん出てきた。
 昭和四十五年初頭、たまたまアメリカ大使館でエレクトロニクス関係者を中心にした懇親パーティが開かれた。その席で、井深は、テキサスインスツルメンツ社のハガチー会長と偶然出会った。ハガチーと井深は旧知の間柄である。しかも、四十四年には五〇対五〇の合弁会社を設立するなど、ソニーはTI社の日本進出に大きく貢献している。井深は、そのハガチーに自分の構想を打ち明け、協力を求めた。すると、ハガチーは「それにうってつけの人がこの席に来ている。オレが紹介してやろう」といって会場に来ていた一人の男を引き合わせてくれた。その人物は前のNASA長官、ジェームス・W・ウェップであった。
 ウェップは、もともと法律畑の人である。だが、技術や物理的な知識も豊富で、専門家と対等に議論できるぐらいの力量をもっていた。また、著名な企業の役員をしていたらしい。そのウェップに目をつけたのが、当時、上院国防対策委員長をやっていたジョンソン前大統領であった。ところが、ウェップは、「オレは教科書の編纂ぐらいをやっているのがいちばんいい」とジョンソンの要請を断わった。しかしジョンソンは強引に口説きおとし、国家的なプロジェクトの組み立てを全面的にまかせたのである。
 井深は、そういういきさつをほとんど知らなかった。話しているうちに、ウェップの偉大さがだんだんわかってきた。ウェップは、NASAで、国鉄の十河や島と同じような働きをしていたのだ。井深は、なんとしてももっとくわしい話が聞きたいと思った。これがNASA研究にのめり込むきっかけになった。
 井深は委員会の一行と渡米し、ウェップと何回も会う機会をもった。ウェップの紹介で、アポロ計画実現に重要な役割を果たしたジョンソン前大統領にも会った。そして貴重な体験談を聞き出すことができた。プロジェクト・マネジャーの選び方、仕事のすすめ方、予算の議決権をもつ議会の説得工作、あるいは、プロジェクト全体のまとめ方などであった。とくにおもしろいと思ったのは、ウェップがたまたま漏らした次の一言である。
「アポロ計画では、主だった関係者全員が、それぞれ違った目的をもって仕事に取り組んでいた。たとえば、私自身は米国の科学教育、あるいは、教育システムを、より立派にしようと努めた。アポロ計画を通じて、多くの大学を援助するとか、学校制度のあり方、とくにセクショナリズムに陥りそうな大学などで、何教室、何教室とかに分れているものを、もっと総合的なファンクションをもたせるようにするというような夢をもって一生懸命にやった。有名なフォン・ブラウン博士などは、大きなロケットをつくれれば満足だと情熱を燃やした。また、ドクター・ミューラーは、人間宇宙船を月に上陸させることに大きな夢を託していた」
 つまり、各部門の最高責任者は、自分のやりたいことを、アポロ計画を通じてやってのけた。この辺の取組み方は、規模こそ違うが、日本の新幹線プロジェクトとまったく同じだったことに興味を示したのだ。
 井深は、一連の勉強会を通じて学んだことをソニーに当てはめてみて、いまのソニーに欠けているものがいくつかあることに気がついた。その一つが有能なプロジェクト・マネジャーの不足であった。
 これまでソニーは、井深、盛田の個性と、木原に代表される一握りの技術者集団の才能に頼って、他人のやらない新製品を次々に生み出し、急成長を遂げてきた。会社規模の小さいときは、それでも十分通用する。しかし、所帯が大きくなり、多彩な商品展開がものをいう時代になると、おのずから事情も違ってくる。
「スペシャリストはもう通用しません。特別な熟練、特別な才能はなくても、目標に向かい、さまざまな能力者をまとめ、仕事を推進してゆくというつかみ方のできる人間、プロジェクト・マネジャーでないと、これからはダメです」
 井深がこんな言葉を口にするようになったのは、その前後からである。これは、次の飛躍に備えた井深の深慮遠謀であった。
 昭和四十六年六月、井深は、社長のポストを盛田にゆだねることを正式に公表した。これは何も急に決まったことでなく、以前から考えていたことである。何度も触れたように、これまで井深は「よそにない新しいコンシューマ商品を、常に他社に先んじてつくろう」をモットーに経営を展開してきた。井深の理想をはぐくみ、実現可能な環境をつくることに全精力を傾けたのは、盛田であり、一握りの技術者集団であった。井深の〈夢〉も、トリニトロンカラーテレビを完成させたことで、ある程度かなえられた。もちろん、やり残した仕事もたくさんある。だが、それは盛田を軸にした若い力で仕上げてもらう。自身は、会長として、経営全般、あるいは、技術部門のよき助言者に徹していく。つまり、これからのシステム社会のプロジェクト・マネジャーに徹しようとしている意志が感じられる。それが協力を惜しまなかった盛田に報いる唯一の道であり、次の飛躍につながる最善の策だと、遠大な構想を画いていたのである。
 
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