「おこのみやき」は、「お好み焼き」ですか?「お好み焼」ですか?
こたえ
このような送り仮名の問題は簡単ではありませんが、結論からいうと、どちらも間違いではありません。『送り仮名の付け方』に従えば、「お好み焼き」が本則による表記、「お好み焼」が許容による表記となるでしょう。
『送り仮名の付け方』の通則6(複合語の送り仮名)では、複合語の送り仮名は、個々の語の送り仮名に準ずることが示されています。そのため「おこのみやき」は「おこのみ・やき」とわけて考えることになります。また、『送り仮名の付け方』の通則4(活用のない語の送り仮名)に「活用のある語から転じた名詞…は、もとの語の送り仮名の付け方によって送る」とあることから、「やき」を「焼き」と書くのが本則に従った表記となります。そして、同じ通則4に「読み間違える恐れのない場合には…送り仮名を省くことができる」とあることから「焼」が許容される表記となります。
なお、すでに述べたように『送り仮名の付け方』では、「当たり」「香り」のように活用語から転じた名詞には、もとの語と同様の仮名を送ることになっていますが、「組」「次」「話」などの語は送らない例外となっています。但、「活字の組み」のように動詞とのつながりが意識できる使い方では、送り仮名を送ることになります。また、「九谷焼」「備前焼」のような伝統工芸品の場合は、通則7により、慣用にしたがって送らないことになります。