「国訓」は「訓読み」と同じ意味と考えていいですか?
こたえ
「国訓」という語には、主に二つの意味があります。ひとつは、意味の共通する和語をあてた漢字の読み方(訓読み)という意味で、「字訓」や「和訓」と同じ意味です。もうひとつは、もともとの意味とは無関係に日本で独自の和語をあてた漢字の読み方という意味です。ナマズの意味である「鮎」を〈あゆ〉、ヒノキの意味である「柏」を〈かしわ〉、ウナギの意味である「鰹」を〈かつお〉とするなどがその例です。後者の意味では、国字(畑・峠・働・鰯など漢字にならって日本で造字された字体)に近いものであるといえます。
訓には、一般に「正訓」と「義訓」(熟字訓)とが区別されます。「山・やま」「川・かわ」などの通常の訓を正訓、「小豆・あずき」「田舎・いなか」など意味の上から全体をひとつの訓として読むものを義訓(熟字訓)といいます。後者は、いわゆる宛字のような遊戯性・技巧性の強いものとなることもあり、その場合を特に「戯訓」と呼ぶことがあります。