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前所長“命令系統がムチャクチャ”
7月6日 4時2分
東京電力福島第一原子力発電所の事故原因などの解明に取り組んできた国会の事故調査委員会は、きのうまとめた報告書のなかで、指示命令系統がむちゃくちゃだったなどとする吉田 昌郎(まさお)前所長の証言を明らかにし、「官邸の現場への介入が混乱を拡大した」と批判しました。
国会の原発事故調査委員会がきのう、衆参両院の議長に提出した報告書、今回の事故について、「自然災害」ではなく明らかに「人災である」と指摘しました。また、総理大臣官邸の対応について、「現場への直接的な介入が対応の重要な時間をむだにし、指揮命令系統の混乱を拡大した」などと指摘しました。
これに関連して、国会の事故調査委員会は、現場で指揮をとった吉田 昌郎(まさお)前所長の証言を明らかにし、官邸の現場への介入を批判しました。
報告書では、原子炉を冷却するために、海水を注入するという判断をめぐって、総理大臣官邸と東京電力とのあいだで、情報の行き違いがあって混乱したことについて、吉田前所長が「本店が止めろというなら議論ができるが、全然わきの官邸から電話がかかってきて、止めろというのは何だ。電話だから、十分な議論ができない。指示命令系統がむちゃくちゃで、もう最後は自分の判断だと思った」などと、証言していることを紹介しています。