署名を偽造 警部補ら書類送検
7月13日 20時45分
警視庁竹の塚警察署の警部補らが被害者の調書の署名を自分で書くなどして偽造したとして、有印公文書(ゆういんこうぶんしょ)偽造などの疑いで、書類送検されました。
書類送検されたのは、東京 足立区(あだちく)にある竹の塚警察庁の地域課に務めていた39歳の警部補など3人です。
警視庁によりますと、警部補らは、おととし、盗難被害が出ていた自転車を会社の同僚に貸したとして、職務質問がきっかけで微罪処分を受けた男性の書類に勝手に男性の署名を書いたほか、盗まれた被害者の調書にも自分で署名したなどとして、有印公文書偽造などの疑いがもたれています。
調べに対して、警部補は、「職務質問強化月間の実績にするため、決済を急ぐ必要があった。関係者を呼んで手続きをすると時間がかかるので、自分で署名した」などと話しているということです。
警視庁は、警部補らがかかわったほかの書類を調べたところ、占有離脱物横領など、あわせて14の事件で、日付や署名の書き換えや偽造が確認されたということですが、いずれも内容のでっち上げなどはなく、捜査への影響はないとしています。
警視庁は、きょう、警部補を停職3か月の懲戒処分にするなど3人を処分し、「警察業務の信頼性を損なう行為であり、厳正に処分した。今後、再発防止に努めていく」とコメントしています。
*警部補:警察官の階級の一。警部の下、巡査部長の上に位する。一般職の地方公務員。役職は、警察庁 警視庁の主任、道府県警察本部 警察署の係長など。
*有印公文書偽造:公文書偽造等罪のうち、印章 署名の偽造や不正使用などで公文書を偽造 変造する罪。
*書類送検:犯罪容疑者の身柄を拘束することなく、事件に関する調書だけを検察庁に送ること。
*占有離脱物横領罪:遺失物 漂流物など,占有を離れた他人の物を横領する罪。
*職務質問:警察官職務執行法に基づき、警察官が、挙動の不審な者や他人の犯罪事実を知っていると認められる者を呼び止めて質問すること。職質。