三菱自動車 1ユーロで工場譲渡へ
7月11日 4時21分
三菱自動車工業は、ヨーロッパで唯一の生産拠点であるオランダの工場について、現地の雇用が維持されるのを条件に、地元のメーカーにわずか1ユーロで譲渡する方針を固め、ヨーロッパでの生産から撤退して、新興国の拠点を拡大していくことにしています。
関係者によりますと、三菱自動車は、ヨーロッパに唯一持っているオランダの工場を現地のバスメーカーVDLに譲渡する方針を固めました。譲渡価格はわずか1ユーロ、日本円にしておよそ97円で、そのかわり、およそ1500人の従業員の雇用を維持することが条件となっているということです。
三菱自動車としては、譲渡価格がわずかであっても、工場を閉鎖する場合にかかる見込まれていた多額の撤退費用を減らすことができ、業績への影響を抑えられるほか、工場の閉鎖に強く反対していたオランダの従業員や地域社会に配慮できるとしています。
譲渡を受けたVDLは、この工場でドイツの大手自動車メーカーBMWから委託を受けて、小型車を生産する見通しです。
これで、三菱自動車は、ヨーロッパでの生産から、ことしいっぱいで撤退し、タイや中国など、成長が見込まれる新興国の生産拠点の拡大に力を入れることにしています。