里子死亡事件 声優に懲役9年の判決
7月13日 16時2分
おととし、東京杉並区の自宅で、里子(さとこ)として育てていた3歳の女の子を暴行して、死亡させた罪に問われた被告に、東京地方裁判所は、「犯行が可能だったのは被告しかいない」と指摘して、無罪の主張を退け、懲役9年の判決を出しました。
東京杉並区の声優鈴池 静被告は、おととし、里子として育てていた渡辺みゆきちゃんに自宅で殴るなどの暴行をして、死亡させたとして、傷害致死の罪に問われました。
この事件の裁判員裁判で、被告は、「暴力は一切ふるっていない、自分は無実だ」と無罪を主張し、検察は懲役10年を求刑していました。
判決で、東京地方裁判所の村山 浩昭(ひろあき)裁判長は、「体の傷から、女の子は、耳や髪の毛を強く引っ張られていたことがわかるが、これが事故や外部の人間によるものとは考えにくい。ほかの家族に気づかれず、犯行が可能だったのは被告しかおらず、犯人であることに疑問は生じないが、裁判でも否認しつづけていて、事件と向き合う姿勢がみられない」などと指摘し、懲役9年を言い渡しました。
法廷で鈴池被告は、裁判長をまっすぐ見て、判決理由の読み上げを聞いていました。最後に、裁判長から、「理解できましたか」と聞かれると、小さく「はい」と答えたあと、「控訴します」と言いました。