福島飯舘村 避難区域再編
7月17日 6時7分
原発事故の影響で、全域が計画的避難区域に指定され、すべての住民の避難が続く福島県 飯舘村(いいたてむら)は、きょう、村全体が3つの避難区域に新たに再編され、長期にわたり居住が制限される「帰還困難区域」に指定された地区では、午前0時に、境界に設置されたバリケードに鍵がかけられました。
政府は、原発事故で警戒区域と計画的避難区域に指定された11の自治体について、放射線量の高さによって、3つの避難区域への見直しを進めています。このうち、村の全域が計画的避難区域に指定され、6000人あまりのすべての住民が避難をよぎなくされている飯舘村は、きょう午前0時に、新たに3つの避難区域に再編されました。再編は、行政区単位で行なわれ、このうち、長期にわたり居住が制限される「帰還困難区域」には、村で唯一南部の長泥地区が指定されました。
地区の境界には、放射性物質の外への拡散や不必要な被ばくを防ぐために、6つのバリケードが設けられ、きょう午前0時、このうち3か所で国の担当者がフェンスを閉めて、暗証番号式の鍵をかけました。これで、住民以外の人たちの立ち入りはできなくなり、住民は、暗証番号を使って出入りできるものの、滞在時間は、原則として朝から夕方までに制限され、寝泊りは引き続きできません。
避難区域の再編は、福島県内の自治体では4か所目で、自治体の全域が対象となったのは、今回が初めてです。村では、今後、住民が戻るために、住宅を中心に本格的な除染が始まる見通しですが、村の面積の85パーセントを占める山林や田んぼなどについては、除染をいつから、どのように進めるか決まっていません。
村全体の放射線量を下げ、住民に安心しんて戻ってもらうための環境づくりをどのように進めるのかが、大きな課題です。