“いじめ自殺認める可能性”
7月17日 12時32分
大津市では、中学2年生の男子生徒が自殺した問題で、遺族がいじめが原因だとして、賠償を求めている裁判がきょう開かれ、大津市は、今後市として、いじめと自殺の因果関係を認める可能性が高いとして、和解に応じる用意があることを明らかにしました。
この問題で、去年10月に自殺した男子生徒の両親は、自殺は学校でのいじめが原因だとして、大津市と同級生3人に、7700万円あまりの損害賠償を求め、裁判を起こしています。
大津市は、これまで、いじめが原因で自殺したと判断できないと、争い姿勢を示していましたが、きょう、大津地方裁判所で行なわれた2回目の審理で、「今後市として、いじめと自殺の因果関係を認める可能性が高く、和解協議に入る意思もある。警察の捜査や、調査委員会の結論を受けて、対応を決めたい」と述べました。
調査委員会は、大津市が外部の有識者の人選を進めて、近く設置する予定で、結論をまとめるまでに、4か月程度かかるとみられています。
この問題をめぐっては、今月10日、大津市の越 直美市長がいじめと自殺の因果関係を認めて、和解を目ざす発言をしていました。一方、同級生側は、これまでの裁判で、「いじめではなく、遊びだった」と主張し、遺族の訴えを退けるよう求めています。
「学校、教育委員会の調査および公表が不十分であったために、絶望のふちにあって、死を選ばざるをえなかったご本人さまに、大変ご迷惑をおかけしました。深くお詫び申し上げます。」
一方、自殺した男子生徒の父親は、裁判のあと、「市長が因果関係を認める発言をしたのは評価するが、学校や教育委員会の記者会見を見ていると、息子は学校に見殺しにされたのではという気がしておりません。1日も早く事実が解明されて、有効な対策が講じられ、いじめに悩む生徒が1人でも、多く救われることを望みます。」というコメントを出しました。