極端な低空飛行避けるなど米に提案へ
7月20日 5時30分
今月23日に、山口県の岩国基地に搬入される予定のアメリカ軍の最新型輸送機オスプレイについて、防衛省は、極端な低空飛行や住宅密集地の飛行は避けることなどを、日米両政府の代表からなる委員会で、アメリカ側に提案するなどして、関係自治体の理解を得たいとしています。
アメリカ軍は、最新型輸送機オスプレイを沖縄県の普天間基地に配備し、ことし10月上旬から、本格的な運輸を始める計画で、今月23日に山口県の岩国基地に搬入することを日本側に伝えています。しかし、オスプレイの安全性に対する懸念や配備後訓練飛行が全国的に計画されていることから、沖縄や岩国を始め、各地で反発が強まっています。
これについて、森本防衛大臣は、昨夜、次のように述べました。「こういう政治的に機微な問題について、もうすこし政府としての政策を丁寧に説明しておくべきだったし、今後ともこれは続けていこうと。」
防衛省は、今月23日の岩国基地への搬入は容認するものの、来週後半にも、自衛隊のヘリコプターのパイロットや民間の有識者などからなる専門家チームをアメリカに派遣し、4月におきた墜落事故の調査結果や再発防止策について聞き取り、安全性を確認したいとしています。
また、オスプレイの具体的な運輸について、極端な低空飛行は行なわないことや、住宅密集地での飛行は避けることなど、日米両政府の代表からなる日米合同委員会の場で、アメリカ側に提案するなどして、安全性に対する懸念の払拭に努める方針です。
民主党内では、計画の見直しを認める動きが強まっており、民主党の前原政策調査会長は、きのう、森本防衛大臣と会談し、アメリカ側と交渉し、配備の日程などを見直す必要があるという考えを伝えたほか、民主党と山口県連に所属する衆議院議員も、藤村官房長官に対して、岩国基地への搬入を見合わせるよう要請しました。
さらに、民主党の中堅議員でつくる「リベラルの会」は、きょう、海外でのオスプレイ墜落事故の原因を究明し、関係する自治体の理解を得られるまで、岩国基地への搬入や沖縄への配備を取りやめるよう求める提言をまとめることにしています。
民主党内では、消費税率の引き上げや原発の運転再開などにくわえて、オスプレイの搬入や配備の計画を見直すよう求める動きが広がることで、野田政権への批判が強まるのではないかという指摘が出ています。