胆管がん 校正印刷以外で発症
7月25日 12時6分
大阪や宮城などの印刷会社で従業員らが相ついで胆管がんを発症し死亡した問題で、宮城で発症した2人は塩素系の溶剤を大量に使う「校正印刷」ではなく、一般的な印刷作業しか行なっていなかったことが新たにわかりました。
大阪や宮城県など5つの都府県の印刷会社で従業員が17人が相ついで胆管がんを発症した問題で、大阪の印刷会社では、がんになった12人がいずれも「校正印刷」と呼ばれる塩素系の溶剤を大量に使ってインクの洗浄を繰り返す作業にかかわっていたことがわかっています。
これに対して、宮城の印刷会社では、この「校正印刷」を一切行なっておらず、一般的な印刷作業をしていた従業員2人が発症していたことが新たにわかりました。
この会社が使っていた塩素系の溶剤の量は大阪の会社と比べると、1日あたり3分の2程度でしたが、「がんの発症の原因の1つではないか」と指摘されている「ジクロロプロパン」という化学物質が大量に含まれ、割合は90パーセント超えるということです。
この問題に詳しい産業医科大学の熊谷信二准教授は、「一般の印刷会社でも溶剤の種類や使用量によっては胆管がんを発症する可能性があると思う」としています。
がんなどの専門医でつくる学会が全国200あまりの病院で実態調査を始めました。過去15年間に治療を受けた胆管がん患者のうち、50歳未満の患者について職業暦や職場環境などを調べ、発症との関係を明らかにするということです。