日ロ 北方領土で隔たり大きく
7月29日 7時44分
北方領土問題での今後のロシア側の出方(でかた)を探りたい、それが玄葉外務大臣のロシア訪問のねらいでした。
ロシアはプーチン大統領が先月の日ロ首脳会談で問題の解決に意欲を示した一方で、メドベージェフ首相が国後島を訪問という挑発的な行動に出るというあい反するような動きを見せたからです。
外相会談では、対話の継続という点では一致しましたが、結局は北方領土はどちらのものかという原則論の応酬に多くの時間が割かれたということです。
さらに、ラブロフ外相は記者団の前で、「要人の北方領土訪問を控えることはない」と述べ、ロシア側が容易に譲歩することはないと強く印象づけました。
今後、日本側はプーチン大統領と親交が深い自民党の森本総理大臣を派遣するなど通常の外交ルート以外の人脈も活用し、ねばり強く働きかけていく方針です。
ただ、北方領土をめぐる双方の立場の隔たりは大きく、問題解決の糸口を見いだすのは容易ではないのが現状です。