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泥棒物語13

时间: 2018-09-06    进入日语论坛
核心提示:京子の多《た》忙《ぼう》な日 たいていの会社は、五時が一《いち》応《おう》の終業時間になっている。 しかし、女子のトイレ
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 京子の多《た》忙《ぼう》な日
 
 たいていの会社は、五時が一《いち》応《おう》の終業時間になっている。
 しかし、女子のトイレは大《だい》体《たい》その十分前ぐらいから混《こん》雑《ざつ》し始める。帰り仕《じ》度《たく》や後片付けも勤《きん》務《む》の内、という根《ね》強《づよ》い思想があって、これは若い男性社員にも、結《けつ》構《こう》広まっているようだ。
 「浦田さん」
 ——浦田京子が給《きゆう》湯《ゆ》室《しつ》で、湯《ゆ》呑《の》み茶《ぢや》碗《わん》を洗っていると、早くも帰り道用の(?)化《け》粧《しよう》を済《す》ませた女子社員が一人《ひとり》、ぶらりとやって来た。
 「今日《きよう》は早いのね」
 と、その女性が言ったのは、いつも京子が終業のチャイムの鳴るのを待って、初めて帰り仕度をしているからだった。
 といって、別に京子が若い子たちのことを苦《にが》々《にが》しく思っているわけではない。彼女《かのじよ》たちの考え方にも、それなりの理《り》屈《くつ》はある。ただ、京子自身は、どうしてもそれについて行けないだけである。
 「ちょっと約《やく》束《そく》があってね」
 と、京子は言った。
 約束とは、もちろん塚原明美と待ち合せていることである。
 「あら、デート?」
 「だといいんだけど、残《ざん》念《ねん》ながら外《はず》れ」
 と、京子は笑《わら》って言った。
 そこへ、さらに若い子が二、三人加わって、何ともにぎやかになった。
 「今日は係長、戻《もど》らないんでしょ?」
 と一人が言った。
 「ええ、〈直帰〉になってたわ」
 と、京子は肯《うなず》いた。「きっとあちらの用事が長引いてるのよ」
 「でもさあ——」
 と、一人が急に声をひそめて、「気が付いた?」
 「何をよ?」
 「今日、千代子さん、お休み取ってんのよ!」
 「えーっ! 本当? じゃ、もしかして——」
 「きっと外で待ち合せなのよ。私、そうにらんでんだ」
 聞いていた京子は、ちょっと当《とう》惑《わく》して、
 「それ、何の話?」
 と、口を挟《はさ》んだ。
 「あら、浦田さん、知らないんですかあ?」
 と若い子が、何だかいやに愉《たの》しげに言った。
 「知らないって、何のこと?」
 「係長さんと、千代子さんのことですよ」
 「千代子さんって……南千代子さん?」
 「ええ。あの二人《ふたり》、できてる、ってもっぱらの評《ひよう》判《ばん》なんです」
 「まさか」
 京子は、思わず笑《わら》い出していた。「他《ほか》の人と間《ま》違《ちが》えてるんじゃないの? 塚原さん、そんなことしないわよ」
 まるで本気にしていない。京子としても、塚原のことなら、よく分っているという自信があったのである。
 「浦田さん、甘《あま》いんですよ。男なんて、ちょっとおだてられたら、すぐ浮《うわ》気《き》の虫が動き出すもんなんだから」
 ねえ、というように他の女性たちを振《ふ》り向く。みんな、気《き》軽《がる》に肯《うなず》いた。
 初めて、京子は不安になった。塚原が南千代子と浮気?
 まさか、という思いは消えない。しかし……。
 「その話、南さんから聞いたの?」
 と、京子は訊《き》いた。
 「いくら何でも、そんなこと直接しゃべったりしませんよ! でも——分るじゃないですか、ちょっとすれ違《ちが》ったときの目《め》配《くば》せとか、声をかける調子とか」
 それは確かだ。
 京子にしても、十八年もOL生活を送って来ている。社内で特別に親《した》しい仲になった男女というのは、不《ふ》思《し》議《ぎ》にすぐ気付かれるものだと分っていた。
 それに、女子社員たちの、そういう方面に関するアンテナの感度は大したものなのである。ちょっとでも「怪《あや》しい」という情《じよう》報《ほう》が入れば、特別に注意して目を向ける。
 そうなれば、まず、どんな秘《ひ》密《みつ》の仲でも、隠《かく》し通すことは不《ふ》可《か》能《のう》に近い。
 塚原が浮《うわ》気《き》。しかも、あんなに若い南千代子と……。京子には小さからぬショックだった。
 そして、ふと思い当った。塚原明美が相談したいと言って来たのは——。
 
 「明美……さん?」
 京子は、恐《おそ》る恐る声をかけた。
 「こんにちは。すみません、わざわざ来ていただいて」
 京子は、またまたショックを受けた。
 待ち合せた喫《きつ》茶《さ》店《てん》に来て、それらしい娘《むすめ》は他《ほか》に見当らないので声をかけたのだが、ずっと昔《むかし》に、塚原の家へ招《よ》ばれたとき見かけた小学生が、こんなに女らしく、立派に成長しているとは!
 「まあ驚《おどろ》いた。——顔を突《つ》き合せても、とても分らないところだわ」
 と、京子は腰《こし》をおろしながら言った。
 「浦田さんのこと、よく憶《おぼ》えてます」
 と、明美が言った。
 「ずいぶんおばさんになっちゃったでしょ」
 「いいえ。あのころと少しも変りません」
 「あら、お世《せ》辞《じ》も上《じよう》手《ず》になったのね」
 と、京子は笑《わら》った。
 お互《たが》いのこと、家のことなどを少し話し合ってから、少し二人《ふたり》は黙《だま》って、運ばれて来た飲《のみ》物《もの》に口をつけていた。
 京子は、軽《かる》く息をついた。こちらから切り出した方が良さそうだ。
 「それで、私《わたし》に相談したいことって?」
 「ええ、実《じつ》は——」
 明美が、ちょっとためらってから、言った。「私、近《ちか》々《ぢか》、学校を辞《や》めて、結《けつ》婚《こん》しようと思ってるんです」
 「け、結婚?」
 京子は、危《あや》うくコーヒーカップを取り落すところだった。
 明美が相談というから、てっきり塚原の浮《うわ》気《き》のことだと思っていたのである。それが——明美当人が、結婚したいと言い出したのだから、仰《ぎよう》天《てん》するのも当然だ。
 「ええ」
 と、明美は微《ほほ》笑《え》んで、「私《わたし》、もう十六ですから、法《ほう》律《りつ》的にも、結《けつ》婚《こん》できる年《ねん》齢《れい》なんです」
 「そ、それはそうね」
 京子だって、それぐらいのことは知っている。もっとも、京子の方は、もちろん法律など気にする必要のない年齢であるが。
 「それに、私、肉体的にも健康で、もう出《しゆつ》産《さん》にも堪《た》えられますし——」
 「ちょっと待って!」
 京子はあわてて言った。「明美さん、それはもしかして現《げん》実《じつ》に——」
 「違《ちが》いますよ」
 明美はいたずらっぽい笑《え》みを浮《う》かべて、「ただ可《か》能《のう》性《せい》を言っただけです」
 「ああ、びっくりした」
 京子は胸を撫《な》でおろした。「あんまり大人《おとな》をびっくりさせないでよ」
 「すみません。でも、私、本気なんです。結婚しようと思ってます」
 明美が、こともなげに言う。
 「だけど——ご両親はご存《ぞん》知《じ》?」
 「いいえ」
 「でしょうね……」
 もし知っていたら、いくら呑《のん》気《き》な塚原だって、ああも平然とはしていられないに違いない。
 「でも、明美さん」
 と、京子は言った。「十六歳《さい》で結《けつ》婚《こん》するには、親の許《きよ》可《か》が必要なのよ」
 「分ってます。それで、浦田さんにご相談したかったんです」
 「私《わたし》に? でも——」
 「父も母も、こんなこと聞いたら反対するに決ってます」
 「そうでしょうね。私だって、きっと、もう少し待て、と言うわ」
 「でも、母の方はうまく言いくるめる自信があるんです」
 「妙《みよう》な自信ね」
 と、京《きよう》子《こ》は苦《く》笑《しよう》した。
 「問題は父なんです。何といったって、お金を稼《かせ》いでるのは父だし、結婚したって、おこづかいはせしめるつもりですから」
 何ともちゃっかりしている。——京子は、「お金」という言《こと》葉《ば》を聞いて、ちょっとギクリとした。
 お金か。——塚原が南千代子と浮《うわ》気《き》しているのが、事《じ》実《じつ》だとしたら、あのお金に手をつける危険がある。何しろ、塚原は、家でもらうこづかい以外に、金の入る途《みち》はないのだから。してみると、あの七千万円が、塚原を浮気に走らせたのだろうか?
 明美の話に目を丸くしながら、京子は、塚原があの金のことを、南千代子にしゃべったりしていないかと気になっていた。
 もし、本当に塚原が南千代子とちょくちょくホテルへでも行っているとしたら、ホテル代は当然塚原が持っているはずだ。——ただの係長の身で、何万円ものホテル代が出せるのを、南千代子は妙《みよう》だと思うだろう……。
 「父を説《せつ》得《とく》するってのは、難《むずか》しいと思うんです」
 と、明美が続けた。「どうせ父親って、娘《むすめ》の結《けつ》婚《こん》には反対するもんでしょ」
 「そう……ねえ」
 「だから、父の弱《よわ》味《み》を握《にぎ》って、無《む》理《り》にでも承《しよう》知《ち》させようと思うんです」
 「弱味?」
 「ええ。それで浦田さんにお願いがあって」
 「どういうこと?」
 「今、父が浮《うわ》気《き》してるの、ご存《ぞん》知《じ》でしょ?」
 今日一日で、京子は二、三年分のショックを一度に受けた気分だった。
 「塚原さんが……」
 「父は大《だい》体《たい》、馬《ば》鹿《か》正《しよう》直《じき》な人ですから、隠《かく》しごとなんかできやしないんです」
 と、明美はアッサリ言った。「わざわざ買って来たこともないおみやげなんか買って帰ったりして。あれじゃ、〈浮気して来ました〉ってプラカードでも持ってるようなもんだわ」
 笑《わら》っている場合ではないのだが、京子はそんな塚原の様《よう》子《す》が目に浮《うか》んで、つい笑ってしまった。塚原なら、きっとそうだろう。
 「あれで気が付かないのは、うちの母ぐらいのもんだと思います」
 「じゃあ——お母《かあ》様《さま》は、何も?」
 「ええ。母は世《せ》間《けん》知《し》らずですから」
 京子は少しホッとした。塚原の浮《うわ》気《き》が、まだ妻《つま》にばれていないのなら、今の内にやめさせれば、まだ救《すく》われる余《よ》地《ち》がある。
 「それで、浦田さん」
 と、明美は少し身を乗り出して、「父の浮気の相手、ご存《ぞん》知《じ》ありませんか?」
 京子も、面《めん》食《く》らった。
 「相手?——さあ、それは——」
 「父のことだから、どこかへ出向いてまで女の子と知り合うことなんて、まず考えられないと思うんですよね。だから、十中八、九、会社の女の人だと思うんです。そういう噂《うわさ》、耳に入っていませんか?」
 明美の見方は何とも鋭《するど》い。父親のことをよく分っているのだ。
 「私も……よく知らないわ」
 と、京子は答えた。
 「そうですか。残《ざん》念《ねん》だなあ。父に反対されたら、じゃ、お父さんはどうなのよ、って言い返してやろうと思ったのに。自分が浮気しといて子供に説《せつ》教《きよう》なんてできないでしょ」
 明美の言《こと》葉《ば》を聞いて、京子はギクリとした……。
 
 病室のドアをそっと開けて、京子が顔を覗《のぞ》かせると、エミが目ざとく見付けて、
 「お姉《ねえ》ちゃん!」
 と、手を振《ふ》った。
 「見付かっちゃった」
 と、京子は笑《わら》いながら、エミのベッドの方へ歩いて行く。
 京子が使っていたベッドは、今は空《から》になっていた。
 「元気そうね。少し太ったみたい」
 「お姉ちゃんも太ったみたい」
 「あらあら、そりゃ大変だわ」
 京子は大げさに目を丸くした。「——ご本をね、何冊《さつ》か買って来たのよ。エミちゃん、何がいいかよく分らなかったんだけど……」
 「ありがとう! 本、大好き」
 エミは、本当に嬉《うれ》しそうだった。
 「そう! 良かったわ。でも、あんまりご本に夢《む》中《ちゆう》になってくたびれないようにしてね」
 京子はホッとして、言った。
 「パパから絵ハガキが来た」
 「そう。もうすぐ帰って来るんでしょ?」
 「うん。そしたらエミの所に飛んで来てくれるよね」
 「そりゃそうよ! 何てったって、エミちゃんはパパの宝物だもの」
 京子は、エミの傍《そば》に座《すわ》っていて、奇《き》妙《みよう》な安らぎと、胸の痛みを覚えていた。——この子が、あとどれくらい生きられるのか、それは京子にも分らない。しかし、そんなに何日も親《した》しくしていたわけでもないのに、京子は、エミの笑《え》顔《がお》を見ていると何ともいえず幸《しあわ》せな気分になるのだった。
 やっぱり、だめだわ。アメリカから帰ったら、浅倉はまず、ここへ来なくてはならない。妻《つま》でもない女とどこかへ行こうなんて、とんでもないことだ……。
 京子は、塚原明美の言《こと》葉《ば》に、ハッとしたのだった。
 自分が浮《うわ》気《き》なんかしていて、人に説《せつ》教《きよう》できるものか。——その通りだ。
 京子は、塚原に忠告しようと思っていた。南千代子との噂《うわさ》が、もし事《じ》実《じつ》ならば、である。しかし、考えてみれば、自分も同じことをしているのではないか。
 まだ関《かん》係《けい》を持つところまでは行っていないにしても、半《なか》ばそうなるのを期《き》待《たい》すらしていたのではないか。
 エミの顔を見ていると、京子は、浅倉への熱い、ドロドロした想《おも》いが、スーッと冷えて、澄《す》んだものに変って行くのを感じた。浅倉のことが好きなら、それはそれでいい。
 人は、好きとか嫌《きら》いとかまで、意志の力でコントロールはできない。
 しかし、それを抑《おさ》えることはできるはずだ。エミのためにも、そうしなくては。
 しばらくエミのそばについていて、少し眠《ねむ》そうになったので、京子は帰ることにした。
 「また来てね」
 エミが、ちょっと寂《さび》しそうな顔で言った。
 病《びよう》院《いん》を出ると、京子は夜の道を歩き出した。
 今日は色々なことでびっくりさせられたわ、と思った。——塚原の浮《うわ》気《き》の情《じよう》報《ほう》、明美の結《けつ》婚《こん》話《ばなし》……。しかし、エミに会うと、そんなことなど大して気にもならなくなる。
 子供っていいもんだわ。京子はそう思った。
 結婚して、子供を産《う》んで育てたい。京子は不意にその想《おも》いに捉《とら》えられて、息苦しいほどになった。
 でも——でも、そんなことが可《か》能《のう》だろうか? もうこんな年齢《とし》なのに……。
 できないことはない。その気になれば、きっと……。
 ——京子は、道の左側を歩いていた。歩《ほ》道《どう》の上だ。ガードレールはないが、一段、高くなっている。
 車が、京子と同じ方向へ、追いかけるような格《かつ》好《こう》で、走って来た。
 ガタン、と音がした。京子は振《ふ》り向いて、目を疑った。
 車が、歩道に乗り上げて、自分の方へ迫《せま》って来るのだ!
 ライトが正《しよう》面《めん》から京子を照らして、目がくらんだ。
 ともかく、どうやってよけたのか、京子自身、よく分らなかった。気が付いたときには、車道の方へ飛び出して転《てん》倒《とう》していた。
 膝《ひざ》や肘《ひじ》を打って、痛みが頭までひびいた。しかし、車の方は、ほんのわずかの差でそれて、そのまま歩道を少し先まで行って、再《ふたた》び車道の方へガタン、と車体を落し、走り去って行った。
 京子は、急いで起き上った。また車が来るかもしれない。
 足を引きずるようにして、歩道へ上った。——胸が激《はげ》しく波打っている。
 ひかれるところだった。
 しかし、あの車は……。わざわざ歩《ほ》道《どう》へ乗り上げて来るなんて!
 京子は、傷《きず》の具《ぐ》合《あい》を見た。ずきずきと痛むが、すりむいたくらいで済《す》んだようだ。
 少し行くと、小さな公園があったので、京子はそこへ入って、水呑み場の水道でハンカチを濡《ぬ》らし、傷を拭《ふ》いた。
 大したことはない。血もそう出ていなかったし、アパートへ戻《もど》ってから手当すれば充《じゆう》分《ぶん》だろう。
 落ちついて来ると、今度は却《かえ》ってショッキングな事《じ》実《じつ》を認めざるを得なくなって来る。あの車は、京子を狙《ねら》って来たのだ。そうとしか考えられない。
 しかし、なぜ?
 京子は、また、ゆっくりと夜道を歩き出した。
 誰《だれ》が京子をひき殺そうなどとするのだろうか? あの二億円のせいか。——おそらくそうだろう。他《ほか》には考えられない。
 しかし、何か怪《あや》しまれるようなことをしたかしら? いくら考えても思い付かないのだ。
 ともかく狙《ねら》われたのは事《じ》実《じつ》である。他の二人《ふたり》にも、気を付けるように言っておかなくては。——とんでもない一日だったわ、と京子は思った。
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