日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 赤川次郎 » 正文

殺人はそよ風のように17

时间: 2018-09-06    进入日语论坛
核心提示:16 清算の時 「これでいい」 と、男は満足気に肯《うなず》いた。「俺《おれ》は大《だい》体《たい》無器用で、人を縛《しば
(单词翻译:双击或拖选)
 16 清算の時
 
 「——これでいい」
 と、男は満足気に肯《うなず》いた。「俺《おれ》は大《だい》体《たい》無器用で、人を縛《しば》るのなんて慣れてないんだが、これは正に会心の出来だ!」
 「あんた、こんなことして、ただで済《す》むと思ってんの!」
 坂東の愛人は、グルグル巻《ま》きに縛られて、男をにらみつけていた。
 「いくら吠《ほ》えても、つないである犬は怖《こわ》くも何ともないさ」
 「何ですって、この——」
 「静かにしなさいよ」
 千絵がウーンと手足を伸《の》ばして、「ああ、やっと自分のものって気がして来たわ、この手足が」
 「でも、どうして?」
 朱子はキョトンとしている。
 「この子の顔に傷《きず》をつけるなんて、人間のやることじゃねえよ」
 と、男は言った。「長いこと、辛《つら》い思いをさせて悪かったな」
 「いいえ。でも、あなた、大《だい》丈《じよう》夫《ぶ》?」
 「何とかなるさ」
 と、男は笑った。
 「だめよ。また同じような生活に戻《もど》ったら、その体じゃ一年と生きてられないわ」
 千絵は首を振《ふ》って、「警察へ行きましょう。あなたが私たちを助けてくれた、って証言してあげるから。——ちゃんと病院に入れてくれるわよ」
 「やさしいなあ、本当に……。よし。じゃあ、言う通りにしよう」
 「良かった! きっと後《こう》悔《かい》はしないと思うわよ」
 千絵は微《ほほ》笑《え》んで言った。
 朱子は、この千絵という娘《むすめ》に感心した。今の今まで誘《ゆう》拐《かい》され、監《かん》禁《きん》されていたとは、とても考えられない。
 あの克彦より、妹のほうがしっかりしているようだ。
 「ともかく、まず警察へ行きましょう」
 と、朱子は言った。「きっと芸能レポーターが目を回すわ」
 「この女、どうする? 水にでもつけとくか?」
 「塩水につけると赤くならないわ」
 リンゴと間《ま》違《ちが》えている。
 「いいわよ。少し、縛《しば》られてる身も味わってみると反省するかも」
 「あまり期待できないな」
 三人は、部《へ》屋《や》を出た。千絵がヒョイと顔を見せて、女に言った。
 「今の内に眠《ねむ》っといたほうがいいわ。留《りゆう》置《ち》場《じよう》ではきっと寝《ね》辛《づら》いわよ」
 「大きなお世話よ!」
 と、女が喚《わめ》いた。
 「じゃ、ご機《き》嫌《げん》よう」
 千絵はドアを閉めた。
 
 「——何がどうなってるの?」
 と、母の雅子がため息をついた。
 「ごめん、黙《だま》ってて」
 と、克彦は頭を下げた。
 「それにしたって——」
 と、雅子は納《なつ》得《とく》のいかない顔で、「千絵なんか誘《ゆう》拐《かい》する物好きがいるとも思えないけどね。——うちは大《だい》体《たい》、金持でもないんだし」
 「だから、そうじゃないんだよ。千絵の奴《やつ》、星沢夏美と間《ま》違《ちが》えられて——」
 「それだって変じゃないか。人をさらおう、っていうのに、顔も知らないなんて」
 「そりゃ、まあ……変だけどさ」
 「千絵にからかわれてんじゃないの? あの子はいたずら好きだからね」
 克彦は困ってしまった。
 ついに意を決して、母親に千絵が誘拐されたことを打ち明けたのに、一《いつ》向《こう》に信用してくれないのである。
 「大体、あの夏美って子は、姿をくらましてるんだろ?」
 「うん」
 「姿をくらましてる者を、どうして誘拐するの? おかしいじゃないの」
 どこがおかしいというのか、よく分からなかったが、克彦のほうも混《こん》乱《らん》して来た。
 「おかしいったって、おかしくないんだから、仕方ないじゃないか!」
 「千絵に騙《だま》されてるんだよ。見ててごらん、今に『ただいま』って、帰って来るから」
 ——この楽天性を、千絵も受け継《つ》いでいるのに違《ちが》いない。
 克彦としては、一《いつ》切《さい》の事情を母親に納《なつ》得《とく》できるよう説明できる自信もなかったし、どうせ同じことなら、放っておくほうがいい、と思った。
 「で、あの夏美って子はどこに行ったの?」
 「分からないんだ。——自分で出て行っちまった」
 「まあ。大《だい》丈《じよう》夫《ぶ》なのかね? 何だか人殺しを捜《さが》してるんだろ? お前、捜しに行ったらどうなの?」
 夏美のほうを心配しているのだ。変った母親である。
 「それに何だかリサイタルとかいうのがあるんだろ?」
 「うん。あと三日だ」
 「やらないと会社が潰《つぶ》れるとか言ってたね。心配だねえ」
 「うん……」
 克彦は、何とも言いようがなかった。
 玄《げん》関《かん》で音がした。
 「ほら、きっと千絵だよ」
 だったらいいんだけどね。克彦が出て行こうとすると——千絵がヒョイと顔を出して、
 「ただいま、お兄さん」
 と言った。
 「ほら、ごらん」
 と、母親が得意そうに言った。
 「千絵、お前……」
 克彦は唖《あ》然《ぜん》として言《こと》葉《ば》もない。
 「大変よ、これから二、三日は」
 と千絵が言った。
 「どうして?」
 「レポーターとか記者が押《お》しかけて来るから。私、手記をいくらで売ろうかな。お兄さん、整理係になってくれる?」
 克彦は自分の頭をぶん殴《なぐ》った。——痛い! 夢じゃないのだ!
 「ねえ、夏美さんはどうしたの?」
 「それより、お前のほうの話が先だ!」
 「晩ご飯のほうが先よ」
 と、雅子が言った。「千絵、ちょっと手伝ってちょうだい」
 勝手にしてくれ! 克彦はふてくされてソファにひっくり返った……。
 
 「今こそ、チャンスだ!」
 松江が顔を紅《こう》潮《ちよう》させて怒《ど》鳴《な》った。「坂東の奴《やつ》を見返してやる!」
 「社長——」
 安中が心配そうに、「あまり興《こう》奮《ふん》なさると血圧にこたえますよ」
 「分かっとる!」
 松江は、居間の中を、グルグルと歩き回った。「俺《おれ》は喜んでるんだ! 分かるか? こんなにいい気分になったのは生まれて初めてだぞ!」
 「それは分かりますが——」
 松江は急に立ち止まって、不安そうな表情になった。
 「まさか坂東の奴が無罪放《ほう》免《めん》になることはないだろうな?」
 「ないでしょう。まあ当人は、知らんと言ってますが、誘《ゆう》拐《かい》された女の子も、ちゃんと坂東を見ているわけですし、言い逃《のが》れはできませんよ」
 「フン、いい気味だ。Mミュージックは大パニックだろうな」
 「何人かのタレントのマネージャーから、うちへ移りたいという打《だ》診《しん》が来ています」
 「そうか! いよいよ、これからは俺の時代だぞ!」
 と、松江は握《にぎ》り拳《こぶし》を振《ふ》り上げた。
 「しかし、社長、明日のリサイタルに、もし夏美が現われなかったら、それどころじゃなくなりますよ」
 安中の言《こと》葉《ば》に、松江はいやな顔をした。
 「せっかくいい気分でいるのに、変なことを言うな」
 「ですが——」
 「分かっとる!」
 と、松江は怒《ど》鳴《な》った。「手がかりはないのか? 夏美をかくまっていたという兄妹には訊《き》いたのか?」
 「五百万出すと言ってみました。しかし、本当に知らないようです」
 松江はソファにドカッと座り込んだ。
 「——すると後は、神だのみしかない、か」
 「本人が自主的に姿を現わすのを待つしかありません」
 松江は、ゆっくりと両手を組み合わせた。
 「来ると思うか?」
 「分かりません。しかし……責任感の強い娘《むすめ》ですからね。可能性は五分五分だと思いますよ」
 「五分五分か」
 松江は、ため息をついた。「そこへ賭《か》けてみるしかないな……」
 「今となっては、仕方ありませんね」
 「明日の——」
 「午後六時開演です」
 松江は、時計に目をやった。十一時を少し回っている。
 「あと十九時間か……」
 松江は呟《つぶや》いた。
 
 十二時まで、あと五分。
 安中貴代は、ベッドから出ると、サンダルをはいた。
 病室のロッカーを開けると、タオルを沢《たく》山《さん》積んだ棚《たな》の奥《おく》から、紙《かみ》袋《ぶくろ》を取り出す。
 中から、小さく丸めた白い布《ぬの》を出した。——いや、白衣である。
 貴代は、白衣を身につけ、看護婦の帽《ぼう》子《し》を頭にのせた。靴《くつ》をはきかえる。
 ちょっと見には、看護婦としか思えない。
 鏡《かがみ》の前に立って、自分の姿を見ると、
 「大《だい》丈《じよう》夫《ぶ》だわ」
 と、肯《うなず》いた。
 それから、机の引出しを開け、厚みのある封《ふう》筒《とう》を取り出す。
 「さあ、これでおしまいだわ……」
 貴代は呟くと、封筒をポケットに入れ、病室のドアをそっと開けた。
 廊《ろう》下《か》は、静まり返っている。人の気配もなかった。
 貴代は、廊下へ出て、音のしないようにドアを閉めると、急いで歩き出した。
 ——屋《おく》上《じよう》へ出ると、いつもより風が強い。湿《しめ》った、雨の気配を含《ふく》んだ風だった。
 手すりにもたれた白い影があった。
 「誰《だれ》?」
 と、その影が訊《き》く。
 「私よ、早野さん」
 「——驚《おどろ》いた」
 早野岐子は、ホッとしたように息をついた。「そんな格《かつ》好《こう》で来るから、誰かと思いましたよ」
 「人に見られちゃ困りますからね」
 と、貴代は言った。
 「——残りの五十万は?」
 「持って来たわ」
 「それはどうも。当分、楽ができます」
 と、早野岐子は笑った。
 「——渡す前に、訊いておきたいことがあるの」
 「何ですか?」
 「これで百万円、あなたに渡したことになるわ。でも——これで最後だって保証があるの?」
 「むずかしいことをおっしゃいますね」
 と、早野岐子は笑った。「どうすればいいのかしら? 誓《せい》約《やく》書《しよ》でも書きましょうか?」
 「あなたを信用してもいいの?」
 「信じていただくしかありませんわね」
 貴代は、しばらく早野岐子を見つめていたが、やがて肩《かた》をすくめた。
 「分かったわ」
 と、ポケットから封《ふう》筒《とう》を取り出し、差し出す。
 早野岐子は、それを受け取ると、中をあらためようとした。
 「待って!」
 と、貴代が鋭《するど》く言った。「誰《だれ》かいるわ!」
 「え?」
 早野岐子は振《ふ》り向いた。
 貴代は、相手の体を、手すりに押《お》しつけながら、その両足をかかえ込《こ》んで持ち上げた。
 「何するの!」
 と、早野岐子が叫《さけ》ぶ。
 封筒が落ちて、中から、札《さつ》の大きさに切られた新聞紙が飛び出し、風に散った。
 「死ね! 死ね!」
 貴代は、暴《あば》れる早野岐子の体を、手すりの上に押し上げようと必死だった。
 「離《はな》して!——人殺し!」
 早野岐子の叫び声は、風に吹き散らされて行く。
 
 安中は、妻の病室のドアを開けた。
 中は暗く、ベッドの、盛《も》り上がった形が、ぼんやりと見えている。
 「眠《ねむ》っているのか?」
 と、安中は声をかけた。
 ベッドが少しきしむ。身動きする気配。
 「——何もかも明日だ」
 と、安中は呟《つぶや》くように言って、椅子《いす》に座った。「夏美さえ、リサイタルに現われたら、総《すべ》てはうまく行く。——俺《おれ》たちの仲も、そのときになったら考えよう」
 静かな息づかいが聞こえる。
 「俺は疲《つか》れた……。当分、一人になって、どこか遠くへ行きたいよ」
 安中は息をついた。「何もかも忘れて……。このまま警察が何もかぎつけなけりゃ、安心なんだが……」
 ドアが開いた。安中はギクリとして立ち上がった。看護婦が立っている。
 「あなた!」
 と、その看護婦が言った。
 「貴代、お前——」
 安中が唖《あ》然《ぜん》とした。
 「やって来たわ! あの看護婦を、今、屋《おく》上《じよう》から突《つ》き落として来てやった!」
 「待て! 明りを点《つ》けろ」
 部《へ》屋《や》が明るくなると、ベッドに、星沢夏美が起き上がった。
 「夏美……」
 と、安中が呟《つぶや》いた。
 「やっぱりあなただったのね」
 と、夏美は言った。
 「聞いたわね!」
 と、貴代が目を燃え立たせて、夏美をにらんだ。
 「私を屋《おく》上《じよう》から落とそうとしたのは、あなたね。——そして、その間に、安中さん、あなたは、私の父を殺したんだわ!」
 「君を突《つ》き落とそうとしたって?」
 安中は愕《がく》然《ぜん》とした。「本当か、貴代!」
 貴代がじっと夫を見つめた。
 「そうよ! あなたは私の体に手も触《ふ》れなかったくせに、この女には子供を作ったじゃないの!」
 安中は青ざめた。
 「貴代……。どうしてそれが分かった?」
 「永原さんに聞いたのよ。あの人は私の所へ来て、夏美を妊《にん》娠《しん》させたあなたを絶対に許さない、と言ったわ」
 貴代は、夫を、憎《にく》しみの目で見ていた。「——凄《すご》い怒《いか》りようだったわよ。あのおとなしい人がね。当たり前でしょうね。自分の娘《むすめ》を、それも、ただ歌手をやめさせないため、それだけのために、騙《だま》し、引っかけて妊娠させた男を、許せるわけがないでしょう」
 「そんな言い方はよせ!」
 と、安中は目をそらした。「僕《ぼく》は——夏美、君のことが好きだった。でなきゃ——ずっと男しか相手にできなかった僕が、君を抱《だ》けるはずがない」
 「言い訳はもういいわ」
 夏美は冷ややかに言った。「あなたは父を殺した。それで充《じゆう》分《ぶん》だわ」
 「仕方なかったんだ! あれは争っているときのはずみだった。殺す気はなかったんだ」
 と、安中は首を振《ふ》った。
 「でも、殺したわ。——その事実は消えないのよ」
 貴代は、看護婦の帽《ぼう》子《し》を取って、投げ捨てた。
 「あなた。この娘を殺しましょう」
 「何だと?」
 「この子は、私とあなたの殺人を知ってるのよ! 生かしておけないわ」
 「馬《ば》鹿《か》を言うな! 夏美は——」
 「何なの? この十七の女の子が、一体何なのよ?」
 「夏美なしでは、僕《ぼく》は破《は》産《さん》する」
 「それがどうしたの! お金が手に入っても、刑《けい》務《む》所《しよ》でどうやって使うのよ!」
 「待って」
 と、夏美は静かに言った。「誰《だれ》も、あなたたちを告発するとは言っていないわ」
 「夏美——」
 「明日のリサイタル——いいえ、もう今日のリサイタルね。私、行ってもいいのよ」
 「本当かい? 全部、準備は整ってるよ! 凄《すご》いニュースになるぞ」
 安中の目が輝《かがや》いた。
 「今まで通り、歌手としてやって行ってもいいわ。その代り——」
 「君の取り分は上げるよ。充《じゆう》分《ぶん》に払《はら》うようにする」
 「そんなことじゃないの」
 と、夏美は首を振《ふ》った。
 「じゃあ、何だい?」
 夏美はベッドから出ると、ゆっくりと安中に近づいた。そして、安中の首に、両手をかける。
 「前のように、私を抱《だ》いて」
 「夏美……」
 「できる?——そうしてくれたら、私は今まで通り、仕事を続けるわ」
 「あなた!」
 と、貴代が言った。「騙《だま》されてるのよ! そんな女の子のために——」
 「黙《だま》ってろ!」
 と、安中は怒《ど》鳴《な》った。「夏美のおかげで、俺《おれ》たちは食って来れたんだぞ!」
 「食べるぐらいが何よ! あんたの妻は私なのよ!」
 「静かにしないと」
 と、夏美が言った。「聞きつけて、人が来るわ」
 貴代は青ざめた。——夫が、夏美を抱いてキスするのを、見て、貴代の体が震《ふる》えた。
 「やめて!——やめてよ!」
 叫《さけ》び声を上げて、貴代が夫へと背後から飛びかかった。
 安中が、低くうめいた。
 夏美は、素早く身を引くと、ドアを開けて、病室を出た。
 夜勤らしい看護婦がやって来た。
 「どうかしました?」
 「あの病室で、けが人が出たみたいです」
 「まあ、けが人?」
 看護婦が急いで入って行く。
 夏美は、急ぎ足で階段のほうへ歩いて行った。
 「——誰《だれ》か来て! 人が刺《さ》されてる! 誰か!」
 看護婦の叫《さけ》び声が、夏美の背後で響《ひび》き渡った……。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%