返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

美女入門200

时间: 2019-08-23    进入日语论坛
核心提示:ダンスがうまく踊れないミラノで、シャネルとヴァレンティノの、それはそれは美しいドレスを買ったことは既にお話ししたと思う。
(单词翻译:双击或拖选)
ダンスがうまく踊れない

ミラノで、シャネルとヴァレンティノの、それはそれは美しいドレスを買ったことは既にお話ししたと思う。
肝心なのは、それをいつデビューさせるかということだ。毎週のように東京のどこかで開かれるパーティにはあまり行きたくない。そう、何かの新製品の披露パーティ、どっかのブランド店オープニングというやつですね。
あそこに来てる人って同じ人ばかりで、パーティに行くのが仕事みたいな人たちばかりなんだもの。これはあるカメラマンから聞いた話であるが、ある高級ブランドのパーティへ行き�セレブリティ�と呼ばれる人たちを撮った。二日後、別のブランドの主催するパーティへ行って写真を撮ったら、メンバーがほとんど同じで唖然《あぜん》としたそうである。
私は思うに、ああいうのは一回行くと癖になるのではないだろうか。私も前に二、三度出席したことがあるが、派手な人たちは見られるし、おいしいものは食べられる。行けば行ったでかなり楽しい。が、美容院で一時間、出席で二時間、時間をとられるのは、忙しい私にとってかなりつらい。とてもじゃないがめったに行けないの。
それにさ、来る人のメンバーがちょっとね……。最近はかの叶姉妹なるものがしゃしゃり出て、彼女たちが来るとなると主催者側がマスコミに知らせる。するとワイドショーがどっとやってくるというカラクリになっているそうだ。
パーティ好きの友人が言うには、叶姉妹が出てくる前と後では、パーティがまるっきり変わったそうだ。以前はあんな風にワイドショーの人たちが来ることはなく、せいぜいが「おしゃれ拝見」の担当クルーか、「ヴァンサンカン」なんかの雑誌の人たちだったんだって。
それにしても、叶姉妹って最近|完璧《かんぺき》に�色モノ�といおうか、コメディアンの域に達していいですね。このあいだのお揃いのシースルードレスといい、お尻《しり》が半分はみ出しているショートパンツ(あれは何ていうんだろう?)といい、悪ふざけしてるとしか思えない。
そんなことはどうでもいいとして、私は行くなら業界の人や芸能人が来ないパーティがいいな。そこでドレスをデビューさせたいな、と思っていた。そんな折、友人の奥さんからとても素敵なインビテーションカードが届いた。
「パークハイアットで、私のダンスの発表会をするので、ぜひ見に来てください。ブラックタイでね」
彼女はこの一年くらい、社交ダンスを習っているのだ。社交ダンスというと『Shall weダンス?』のイメージが強く、中高年のおじさんおばさんの趣味と思っている人が多いだろう。が、おハイソな人々にとっては、未《いま》だに必修科目らしい。
当日私は、シャネルのソワレに、ヴァレンティノのサンダルという格好でホテルへ向かった。いつもだったら電車かタクシーで行くのであるが、この日ばかりはタキシード姿の男友だちに迎えに来てもらった。彼はなんとキャデラックに乗ってきた。といっても、また別の友人に運転させてるんだけどさ。
さてパークハイアットに到着、ここのお教室は少人数のうえにお金持ちが多いそうだ。女の人も綺麗《きれい》な人が多く、ドレスも高そうなもんばっかり。失礼ではあるが、映画に出て来る渡辺えり子さんみたいなオバさんはいない。私の友人は背が高くて美人のうえに、これまた大金持ちの奥さんときている。だから発表会でワルツを踊る際は、アルマーニのドレスを少し裾の方を動きやすく直して着るそうだ。
私も競技ダンスの安っぽいチャカチャカした感じが大嫌いなので、このセンスはいいなと思った。
生徒の発表会の後、プロの先生たちによるデモンストレーションがあった。中でも私が気に入ったのは、ラテンを踊る若い男性教師だ。竹中直人さんをもう少しハンサムにしたような感じであるが、踊っている最中も顔がラテンをしていて思わず笑ってしまった。眉《まゆ》や目をすごく動かすんだもの。
が、考えてみると、私も社交ダンスを一生懸命習ったことがある。あれは十三年前、世の中がバブルにうかれていた時だ。あるところから、
「ウィーンのオペラ座でする舞踏会へ行きませんか」
というお誘いを受けたのだ。私はすんごいイブニングドレスをつくり、そしてダンスを習った。あの時のこと、ちょっぴり体が憶《おぼ》えてないかしら。自転車とスキーは、いっぺん憶えると体がちゃんと動くっていうけど、ダンスもそうじゃないかしら。私はだんだん踊りたくってうずうずしてきたの。やがて司会者がいう。
「踊れる人も踊れない人も、みんなフロアに出てください。そして中で手をつないで女の人が輪をつくって、そして外側で男の人が輪をつくる。音楽が止まったら、そこに立っている前の人がパートナーです。さあ踊りましょう」
さっそくフロアに立った私。ドキドキするわ。やがて音楽が止まる。そして後ろを振り向く。なんとあのラテンの男じゃないの!
私たちはさっそくワルツを踊り始めた。が、私の足は全く忘れていた。ダンスを、ステップを。
「すいません、すいません」
彼の足を何度も踏みそうになる。彼はあきらかにイヤな顔をした。私は思ったの。ダンスは習うのもすごく恥ずかしいけど、踊れないのもすごく恥ずかしい。プロセスがさ、やっぱりちょっとオバさんっぽくなるの。でも習おうかな……。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%