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世界昔ばなし14

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:ブルガリアつばさをもらった月   むかし、年をとって、思うように体が動かせなくなってきた夫婦がいました。二人は子供がいな
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ブルガリア
つばさをもらった月                                                                          

むかし、年をとって、思うように体が動かせなくなってきた夫婦がいました。二人は子供がいないのを嘆き、どうか子供を授けてほしいと、毎晩、神様にお願いしていました。
ある晩、おばあさんがいいました。
「おじいさん、これからさき、どうやって暮らしていったらいいんだろうね。目も弱ってきて、だんだん見えなくなってきたし、このごろ手足も、めっきり衰えて、家の中のことをするにもくたびれるようになってきたし」
「困ったものだなあ。さきのことは、わしにもわからん。どうしようもない」
おじいさんは、つらそうに、ため息をつきました。
「せめて娘がいてくれたら、どんなにか心強かったことでしょうね」
おばあさんは、首をうなだれて嘆きました。
その時、月がちょうど二人の家の上を照らしており、その話を聞いていました。
「おじいさん、もう一度だけ運をためしてみましょうよ。もしかすると、川の水がなにか授けてくれるかもしれませんよ。さあ、川へ行って、魚捕りのかごをしかけてきておくれ」
とても月の明るい晩で、川はむこう岸まで銀色に輝やいていました。
「どうか、子供のいない私たちに、なんでもいいから、授けてください」
と、おじいさんは呟きながら、川幅の広い浅瀬に入って行って、川の底に魚捕りのかごをしかけました。
そして草むらに横になり、そのうちぐっすり寝こんでしまったのです。明け方、三番鶏の鳴く声で目をさまし、おじいさんは起きあがって、水の中に入って行きました。
かごを持ちあげると、中には小さな鴨が一羽、入っているではありませんか。子鴨は彩りの鮮やかなつばさと、金色のくちばしに銀色の足をもっていました。おじいさんは鴨をかかえ、急いで家に帰り、叫びました。
「ばあさんや、見ておくれ。こんなものが、かごに入っていたよ」
「まあ、かわいい鴨だこと! わたしたちの子供ってことにしましょうよ」
おばあさんは、嬉しくて鴨のつばさを撫でました。
「鴨では、お手伝いはできないだろうね。でも、家の中が賑(にぎ)やかになって、たいくつしませんよ。もう、二人だけの暮らしは、気が滅入ってしまうから。さあ、おまえもなにかご挨拶をしてごらん」
「があ!」
子鴨は、元気な声で鳴きました。おばあさんは、底の抜けた古いますを探しだし、その中に鴨を入れていいました。
「住み心地は、どうかね」
「があ!」
外が少し明るくなってきたので、おばあさんは、ふすまを湯でこね餌をこしらえ、おわんに水を汲んでいいました。
「いっぱい、お食べ。わたしはこれから、おじいさんと森へ行って、きのこを採ってくるからね。しっかり留守番をしているんだよ。物置の下に、いたちの親子がいるから、外にでちゃいけないよ。見つかったりすると、殺されてしまうからね」
二人は袋を肩に背負い、扉をしっかり閉めて森へでかけました。二人の足音が遠ざかって聞こえなくなると、子鴨はますからでて、つばさを三べんうちならしました。
そして、
があ! があ!
があ! があ!
と、四へん鳴いて体を震わせました。
すると、子鴨の体からつばさがすっぽりとれ、美しい娘の姿にかわりました。娘は刺繍のついた服に、きれいな前かけをしめ、長い金髪、それに銀の靴をはいていました。
「さあ、お仕事にかかりましょう」
娘は部屋の中を掃き、おじいさんとおばあさんの寝床をきれいに整え、天びん棒に鍋(なべ)をかけ、水を汲んできました。そして、庭に咲いている花に水をやり、薪を割って火をおこしました。娘は、黒くてすすけた古い鍋を見つけて暖炉にかけ、天井から糸に通してつるしてあったきのこをとって入れました。
きのこを煮ながら、娘は休みなく働き、白い布地を裁って、二人のためにシャツを二枚、手早く縫い上げました。新しいシャツの胸もとには、すてきな刺繍を飾りました。
こうして娘は、陽が西の空に傾くまで、明るいあいだ、ずっと働きました。陽が沈むと、娘はつばさを三べんうちならし、
があ! があ!
があ! があ!
と、四へん鳴いて、また鴨の姿に戻りました。
しばらくたって、おじいさんとおばあさんは、きのこをどっさり採って森から帰ってきました。そして、扉を開けると、なんと部屋はきちんとかたづけられていて、おいしそうなきのこの匂いがするではありませんか。二人のためにま新しいシャツまで縫ってあります。
しばらくのあいだ、二人はびっくりして口もきけないでいましたが、我にかえって子鴨にたずねました。
「だれが、きのこを煮てくれたんだね」
「だれが、掃除をしたり、シャツを縫ってくれたんだろうね」
子鴨は、じっとしたままなにもいいません。おじいさんとおばあさんは、森を歩きまわり疲れていたので、きのこの煮物を食べてぐっすり眠りました。
あくる日も、二人はみずきの実を採りに森へ行きました。夕方、家に帰ると、暖炉の火が赤々と燃えていて、こんどは豆のスープが煮えているではありませんか。部屋も、きのうよりもずっときれいになっていて、扉のそばの壁には、羊毛の布地に兎の毛皮のついた皮衣が二つ、並んでかかっています。
「舌がとろけそうだ。こんな、おいしい豆は、はじめてだよ!」
おじいさんは豆のスープを、ひとくち飲み、驚いて、いいました。
その晩、二人は、いつまでも寝つけませんでした。ひと晩中、寝返りをうちながら語りあっていました。
「留守のあいだに、だれか家にやってくるようだが」
「ほんとに。スープを煮たり、掃除をしたり、着物を縫ってくれるのは、どこのだれでしょうね。おじいさん、何とかして知りたいものですね」
「だが、どうすればわかるだろう」
おばあさんは、おじいさんの耳もとで、ひそひそ囁きました。
「あしたも、いつものように森へでかけることにしましょう。いえいえ、森へでかけるふりをして、様子を見てみましょう。家の裏手にまわり、屋根にのぼり、煙突から部屋の中を覗(のぞ)いているんですよ」
あくる朝も、二人は鴨に餌をやり、おわんの水をとりかえ、いつものように袋を背負ってでかけました。扉にかぎをかけると、森へは行かないで、こっそり裏手にまわり、はしごをかけて屋根にのぼりました。煙突から家の中の様子をうかがっていると、子鴨がますからでて、つばさを三べんうちならしました。そして、
があ! があ!
があ! があ!
と、四へん鳴いて体を震わせました。
すると、つばさがすっぽりとれてなくなり、美しい娘の姿にかわりました。
「さあ、お仕事にかかりましょう。粉をふるって、こねて、パンを焼いて。おじいさんには、あたたかい編みあげ靴をつくってあげましょう。おばあさんには、靴下カバーがいいわ」
娘は手早く、部屋をかたづけはじめました。屋根の上で見ていた、おじいさんとおばあさんは、驚いて、すぐには口がきけませんでしたが、事情がわかると、うれしくて手をとりあって喜びました。
「なんて運がいいんだ! これで、わたしたちも、大助かりだ」
娘が水を汲みに外に出たとき、おばあさんがいいました。
「ねえ、せっかく授かった娘が、また鴨になってしまうのは、いやだわ。このまま、ずっと娘の姿でおきましょうよ」
「だが、どうやって」
「鴨のつばさを焼いてしまうんですよ。そしたら、娘のまま、いつまでも、わたしたちと暮らせるってもんですよ」
「さあ、急ぐんだ!」
おじいさんは、急いではしごをつたい、屋根から降りて、部屋にとびこみました。
そして、鴨のつばさをつかみ、赤々と燃えている火の中にほうり投げてしまいました。
そのとき、娘が部屋の中に入ってきて叫びました。
「まあ! あなたがたは、なんということを、なさるのですか!」
娘は、つばさが燃えているのを見て、たいそう嘆き悲しみました。
「つばさがなくなっては、もう空を歩くこともできません」
「でも、どうして、空など歩かなくちゃいけないんだね。このままずっと、わたしたちの娘でいておくれ」
娘は、つらそうにため息をつきました。
「じつは、わたしは月なのです。夜、空に輝やいて、地上を照らす月なのです。ある晩、あなた方の家の上を通った時、お二人が嘆いているのを聞いて、気の毒でならなかったのです。そこで、魔法使いのおばあさんに頼み、鴨のつばさをつくってもらい、昼だけ、お手伝いに降りてきました。でも、つばさがなくては、もう空に戻れません。もう、夜になっても地上を照らすこともできません」
「おお、なんて、すまないことをしてしまったんだろう」
娘の話を聞いて、二人は、青ざめて、どうしたらよいのか途方にくれてしまいました。
「さあ、森へ行って、森じゅうの鳥の羽と首の綿毛をもらってください。一羽のこらず、この世のあらゆる鳥から一本ずつもらうのです。そして、チレリイの谷に住んでいる魔法使いのおばあさんを探してください。なんとか、もう一度、鴨のつばさをつくってくれるように、頼んでください」
そういうと、娘は身をひるがえして外にとびだし、山の洞窟の奥ふかくに姿をかくしてしまいました。
「いそいで! つばさができるまで、わたしは外にでられません」
二人は、鳥という鳥を探して森じゅうを歩きまわり、羽と綿毛を一本ずつもらいました。
夜になって、二人はくたびれて草むらに横になり、空を見あげましたが、空は黒い雲におおわれて、あたりは、なにひとつ見えません。
こうして、おじいさんとおばあさんは森じゅうの鳥に頼んで、羽をもらってまわりましたが、おしゃれなせきれいが、どうしても羽をぬいてくれません。二人は三日三晩、巣の下に行って頼みこみました。ようやく、せきれいが、首の綿毛を一本だけなら、ぬいてやってもいいといいました。でも、それには、真珠の首飾りをもってこいというのです。
真珠など、おばあさんは一粒だってありません。おばあさんは、せきれいが気難かしいことをいって、なかなか羽をくれないので、悲しくなって泣きだしました。
涙が草むらに落ちました。すると、涙のしずくが一粒ずつ真珠にかわったのです。おばあさんは真珠を拾って首飾りをつくりました。せきれいは、首飾りをかけてもらうと、首から小さい毛を一本ぬいて、わたそうとしました。
ところが、その時、小さな綿毛が風にとばされてしまいました。おじいさんとおばあさんは茨の中を探しまわり、やっとのことで綿毛をつかまえました。
二人は羽をもって、チレリイの谷へ急ぎました。そして魔法使いのおばあさんを探しだし、じぶんたちが、だいじな鴨のつばさを焼いてしまったことをわびて、もう一つ、つばさをつくってくれるように頼みました。
それを聞くと、魔法使いのおばあさんは顔をしかめましたが、それでも、その夜のうちに子鴨のつばさをつくってくれました。
おじいさんとおばあさんは、つばさを抱いて洞窟に急ぎました。やっと、たどりついたのは、もう、夜もずうっと更けた頃です。
「さあ、つばさができたよ。どうか、でてきておくれ!」
二人が洞窟の前で叫ぶと、娘がすばやくとびだしてきました。
そして、鴨のように両手を振って、
があ! があ!
があ! があ!
と鳴き、新しいつばさをつかみました。
すると、たちまち鴨の姿になり、暗い空に舞いあがり、明るく輝やきだしました。
「月がでたぞー」
人びとは喜んで外にとびだして、空を見あげました。
それは、今まで見たこともないような、美しい月だったということです。
                                                                   (八百板) 
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