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シャドウテイカー フェイクアウト20

时间: 2020-03-29    进入日语论坛
核心提示:2 鶴亀《つるき》駅前のハンバーガーショップで、裕生《ひろお》はポテトとドリンク付きのセットを買った。トレイを持った裕生
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 鶴亀《つるき》駅前のハンバーガーショップで、裕生《ひろお》はポテトとドリンク付きのセットを買った。トレイを持った裕生が二階に上がると、窓際《まどぎわ》のカウンター席に佐貫《さぬき》が座っていた。
「よ」
声をかける前に佐貫が振り向いて声をかけた。
「あれ、結構前から来てた?」
裕生は佐貫の隣《となり》の席に座りながら言った。佐貫の前に置かれているラージサイズのコーラはすっかり空になっている。
「まあな。時間が余ったんで、ここからあれ見てた。もう午前の回が始まってるけど、俺《おれ》が見た時より客が入ってるみたいだぞ」
窓からは例の「皇輝山《おうきざん》天明《てんめい》ショー」の会場が見える。もう始まっているということだったが、それでもちらほらと入っていく客がいる。
「西尾《にしお》は神社のバイトにいったの?」
「さっき、やっぱり抜けられないってメールが入ってたよ。まあ、今日までだからな。明日はもう祭りの日だし」
裕生は話に耳を傾けながらハンバーガーのラッピングをほどいた。これが今日初めての食事だった。裕生が半分ほど食べ終えたところで、佐貫が口を開いた。
「昨日の晩も話したけど、やっぱりこいつは怪《あや》しい。っていうか、ほとんどクロだな」
佐貫は言いながら、裕生の方へ一枚の写真を滑《すべ》らせた。白いタキシード姿の皇輝山天明が、シルクハットを手に満面《まんめん》の笑《え》みを浮かべていた。
「……どこで手に入れたの。こんな写真」
「どうでもいいんだよそんなことは」
佐貫は顔をしかめたが、裕生はこの友人の情報収集能力に素直に感心していた。昨日の晩、裕生から全《すべ》ての事情を聞いた後で、皇輝山天明が怪しいと言い出したのも佐貫だった。確《たし》かにあの時、裕生たちと宮司《ぐうじ》を除けば神社にいたのは皇輝山天明だけである。
明日の午前中までに調《しら》べておく、と宣言して佐貫は帰っていったのだった。
「あいつはこの町に戻って来てから、ほとんど毎日のようにあのショーをやってる。俺が見た日、俺《おれ》んちの近くに住んでる女の人が色々言い当てられてたって話しただろ? さっきその人の家にいってみたんだけど、あの日から姿が見えないらしい」
「……え」
裕生《ひろお》の心臓《しんぞう》がどきりと脈打った。
「まあ、まだ一昨日《おととい》の話だし、よく旅行にいく人みたいだから、まだそんなに心配する必要もないかもしれないけどな。ただ、他《ほか》にもっとこの町で消えてる人がいないか、確《たし》かめた方がいいかもしれない」
その言葉に裕生はうなずいた。天明《てんめい》がもし契約者だとしたら、人間を殺しているはずなのだ。
「後、あいつがショーの時に口にしてた、『守り神』のタツコヌシ。字で書くと龍《たつ》の子だと思うんだけど、これには蜥蜴《とかげ》って意味がある。つまり、龍子主《たつこぬし》ってのは蜥蜴の神様って意味なんだよ」
「その龍子主って昔の伝説とかに出て来るの? なんかそれっぽいけど」
「俺は知らねえな。作ったんじゃないのか? 『皇輝山《おうきざん》文書』とかいうのと一緒《いっしょ》に」
『皇輝山文書』——昨日も何度か佐貫からその言葉を聞いたが、どういう内容なのか今ひとつよく分からなかった。
「結局、なにが書いてあるんだろ」
「なんかよく分からないんだよ。本人も分かってないかもしれないけどな」
「どういうこと?」
佐貫《さぬき》はにやっと笑った。
「存在しないかもしれないってことだよ。四年前も出て来たって発表しただけで、ちゃんと読んだヤツは天明以外には誰《だれ》もいない。警察《けいさつ》が事情を聞きにいったら逃げちまった。天明の助手もろくに見たことないみたいだし。まあ、もしどこかにあっても、せいぜい入院中の妄想《もうそう》日記みたいなもんだろ」
「入院中?」
裕生は思わず聞きかえした。
「話さなかったか? なんか、大怪我《おおけが》してから性格がらっと変わったらしいぞ。『皇輝山文書』があるって言い出したのも退院してからだっていうし」
「……」
裕生は自分の書いた「くろのかなた」を思い出していた。「入院中の妄想日記」なら、彼の書いたあの話も似たようなものだ。入院していなければ、あれを書くこともなかっただろう。
「あ、そうだ。一番大事なもん見せてなかったな」
佐貫はバッグから携帯を出すと、裕生に向かって画面を見せた。カメラで撮《と》ったらしい画像が映っている。どこかのビルの入り口のようだった。
「これ……」
裕生《ひろお》は思わず息を呑《の》んだ。
「そこが天明《てんめい》の泊まってるホテルの玄関だ。さっきいって撮《と》って来た」
自動ドアの脇《わき》の壁《かべ》に、黒いスプレーで描《か》かれた大きなマークがある。正方形の中に小さな黒い丸が入っていた。
「……『サイン』だ」
レインメイカーが教えてくれた、鶴亀《つるき》にいるというカゲヌシの「サイン」だった。ほとんど間違いないと言ってもいいだろう。裕生は「天明ショー」の会場の入り口を見る。あの奥でステージに立っているのは、カゲヌシの契約者なのだ。
「それでどうするんだ、これから」
と、佐貫《さぬき》が言った。それはもう裕生の中で決まっていた。
「あの蜥蜴《とかげ》のカゲヌシをもう一度『黒の彼方《かなた》』にぶつける。あいつを利用して、『黒の彼方』を倒すんだ」
「眠り首」という武器を失った「黒の彼方」は弱っている。三つあったはずの首も最後の一つだけだ。倒すとしたら、今が絶好のチャンスだった。
「やっぱりそれ、本気でやるつもりなのか……それで、蜥蜴のカゲヌシが勝ったらどうするんだ?」
「そっちはぼくらが倒す」
佐貫が眉《まゆ》をひそめながら腕組みをした。
「難《むずか》しいな、それ」
「でも、それは絶対に譲《ゆず》れないよ。『黒の彼方』が死んでも、あの蜥蜴のカゲヌシが人間を殺してるんじゃ意味がないんだ」
「いや、反対してるわけじゃねえよ。そうしなきゃならないってのは俺《おれ》にも分かる……ただ、そうすると勝った蜥蜴の方も相当弱ってないとダメってことだよな。俺たちも戦えないだろ」
佐貫はため息をつきながら指を折った。
「まずはお互いが会うようにおびき出さなきゃならない。そいつらを戦わせなきゃならない。どっちも弱らせなきゃならない。そうなると必要なのは」
彼はちらりと裕生の顔を見て、声をひそめて言った。
「両方のカゲヌシを騙《だま》すこと、だよな?」
裕生はうなずいた——自分たちには力がない。力がなければ、騙して相手を倒すしかないのだ。
「お前、やっぱり雛咲《ひなさき》さんに事情話した方がいいんじゃないのか」
と、佐貫が言った。裕生は首を横に振る。
「そうしたいけど、葉《よう》に話すと『黒の彼方』にも全部分かっちゃうんだ。そうなったらあいつはあの蜥蜴と戦わないかもしれないし、なにかもっとまずいことをすると思う。今だってぼくがなにをしてるのか疑ってるだろうし、こっちの動きはなるべく知られないようにしないと」
「俺《おれ》が心配してんのはそこじゃないんだけどな」
「え?」
「お前、その『黒の彼方《かなた》』に嘘《うそ》つくってことは、あの子にも嘘つくってことだろ? それでお前大丈夫なのか?」
裕生《ひろお》はかすかに歯を食いしばった。葉《よう》が自分を心から信頼してくれているのは分かっている。裕生を疑うことなど考えてもいないあの目を見ていると、カゲヌシを引《ひ》き離《はな》すためとはいえ、嘘をつくのはやりきれなかった。
「……しょうがないよ」
と、裕生はやっと言った。
「今は他《ほか》にどうしようもないんだ」
佐貫《さぬき》は裕生の肩をぽんと叩《たた》いた。
「まあ、確《たし》かにしょうがねえな。全部終わったら俺のせいだって言ってやるから。悪だくみは全部俺がしたってことにすればいいだろ」
「そんなことできないよ」
裕生は苦笑しながら、家にいるはずの葉《よう》のことを思った——今頃《いまごろ》、一人でどうしているだろう。うまくいけば、もう少しで彼女を「黒の彼方」から解放できるはずだ。
これから天明《てんめい》に会って「黒の彼方」を倒す話を持ちかけなければならない。
全部は食べていなかったが、彼はトレイを持って立ち上がった。
「じゃあ、そろそろいこうよ」
「どこに?」
「どこって……あの会場だよ。途中《とちゅう》からになっちゃうかもしれないけど、天明と話す前にあのショーを見ときたいし」
裕生は窓の外の会場を見ながら言った。佐貫はちょっと困ったように眉《まゆ》をしかめた。
「いや、どうだろう。今、いかない方がいいかもしれないな」
「なんで?」
「ここで見てたら、お前もよく知ってる人があの会場に入ってくのが見えてさ。万が一、中で会ったらややこしいことになる気が」
「誰《だれ》のこと?」
「お前の兄さん」
「はあ?」
と、裕生は思わず大声を上げた。
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