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記憶の絵09

时间: 2020-03-30    进入日语论坛
核心提示:足弱・腕弱昔は女の人を旅に伴れて歩くのを足弱伴《あしよわづ》れと言って大変優に柔《やさ》しい表現で、常磐《ときわ》御前《
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足弱・腕弱

昔は女の人を旅に伴れて歩くのを足弱伴《あしよわづ》れと言って大変優に柔《やさ》しい表現で、常磐《ときわ》御前《ごぜん》を連想する感じだったが、私は優美ではないがまさに足弱である。立派に一人で歩けるようになってからも、馬に西洋人参を遣《や》るといっては馬丁に抱き上げて貰い、菊人形を見に行くといっては女中に抱かれて出かけた。京都から出て来て家に宿っている叔父なぞが、散歩に伴れて行こうというと、歩き出そうとはしないで立って叔父を見ている。車宿《くるまやど》なり、電車まで、抱いて行ってくれるものと思っているので、今の言葉で言えばつきあい切れない、というような意味のことを叔父が母に言ってこぼしたらしい。祖母は(もう、よう抱けん)と言ってあやまってしまった。女中は重くて困ったろうが、女中に持ち上げるようにして貰って団子坂の菊人形の人波を見下ろして行くのは愉快だった。明治半ばの秋は、夕やけの名残りと一緒に紅《べに》を含んだ薄紫に暮れかかって、物見遊山のざわめきが、底に熱いものをひそめている。(こちらは植半《うえはん》でござい)、(こちらは種半《たねはん》でござい)と、菊人形を催している植木屋の呼び声が喧ましく、菊の花の香《にお》いがどこからか漂ってくる。その中の一つへ入って行くと、呼びこみの男は私を見るとにこにこして、「お嬢さんは大勢お客をつれて来てくれるからお代はいらないよ」と言うので、私はいつも木戸御免だった。親類の人や、来客があると、私が女中に抱かれて案内に立ったからだ。菊人形のある間は菊蕎麦は連日満員で、菊見煎餅の板の間では七、八人の職人が藍地に白で菊を染め抜き、襟には菊見煎餅と抜いた半被《はつぴ》で勢よく丸や四角の堅焼を、よく熾った炭火で裏表と返して焼いていた。お客に出すので三日に上げずこの店にも行った。菊蕎麦は戦前までやっていたが、今は今晩軒の名でやっている。ところで抱かれて歩いてばかりいた私は学校へ行くようになると、女学校卒業まで車で通った。だから遠足にはひどく参った。だが、私の足の力の無さは異様で、子供の頃抱かれて歩いたからとか、車で学校へ通ったからとかいうのでは説明がつかないようだ。怠け者のせいだけではなく、私は歩行するどころか座るのも立つのも嫌いな方で、腕の方も力が無く、腕弱の感じで、自分でもまるで海月《くらげ》のような気さえする。極く軽い小児麻痺に冒って、知らない内に治癒したのではないかと、考えるより、考えようがない。二十代からよく往来で転び、その度に膝をすりむいている。この頃は六十を越したので、ひょろつく度に人々が哀れんだり、おかしがったりする模様で、どっちにしてもうれしくない。普通の人間は荷を積んだ自転車位のものが打っからない限り転ばないように出来ているようだが、私は本屋で立ち読みをしている時、背中を人が強く擦《す》って通る度にひょろけて、ふみとどまるのが容易なことではない。足弱《あしよわ》で腕弱《うでよわ》という、変な人間のお話である。
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