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記憶の絵14

时间: 2020-03-30    进入日语论坛
核心提示:鴎外の味覚私の父親は変った舌を持っていたようで、誰がきいても驚くようなものをおかず[#「おかず」に傍点]にして御飯をたべ
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鴎外の味覚

私の父親は変った舌を持っていたようで、誰がきいても驚くようなものをおかず[#「おかず」に傍点]にして御飯をたべた。どこかで葬式があると昔はものすごく大きな饅頭が来た。葬式饅頭といっていたもので、ふつうのお饅頭の五倍はある平たい饅頭で、表面は、釣《つ》り忍《しのぶ》に使うあの、忍草《しのぶぐさ》を白く抜いて焦がしてある。いつからあれを人がくれなくなったか、このごろでは稀《たま》に菓子屋の硝子箱の隅に見えるが、やっぱり造《こし》らえたてのを奇麗な箱に入って送られたのでなくては、どこかの葬式に造《こし》らえた残りがおいてあるようで、買う気はしないのである。その饅頭を父は象牙色で爪の白い、綺麗な掌で二つに割り、それを又四つ位に割って御飯の上にのせ、煎茶をかけて美味しそうにたべた。饅頭の茶漬の時には煎茶を母に注文した。子供たちは争って父にならって、同じようにしてたべた。薄紫色の品のいい甘みの餡《あん》と、香《にお》いのいい青い茶〈父親は煎茶を青い分《ぶん》の茶と言っていて、母親も私たちもそう言うようになっている〉とが溶け合う中の、一等米の白い飯はさらさらとして、美味しかった。これを読む人はそれは子供の味覚であって、父親の舌はどうかしている、と思うだろうが、私は今でもその渋くいき[#「いき」に傍点]な甘みをすきなのである。たしかに禅味のある甘みだ。父親は又果物を煮て砂糖をかけるのも好きで、五月末ごろの梅の実に始まり、六月の杏子、八月の水蜜桃、八月末には真紅《あか》くて煮ると綺麗な桃色の汁と一緒に、白い器の底に沈む天津|桃《もも》と、それらの果物群は毎年初夏から真夏までの父の楽しみだった。父の死んだ年の梅から水蜜桃へのうつりかわりは母の胸をえぐった。父は七月九日に死んだので、水蜜桃のごくはしりまでをたべて、死んだ。秋は栗を煮たが、秋から冬にかけては何も煮る果物がなかった。どうしてだか桜桃は煮なかった。私はこういう父親と一緒に食事をしたので、今でも甘いおかず[#「おかず」に傍点]を時々|造《こし》らえる。梅も煮るし、杏子を見つけると狂喜する。上等の煮豆屋の鶉《うずら》豆に白砂糖と清酒を加えてざっと煮たもの、平目の黄味酢の甘いのや、胡瓜と固茹で卵の甘酢もおかず[#「おかず」に傍点]にする。大体父親は貧乏な医者の家で育ったので、茄子や枝豆の煮たもの、そばがきなんかが好きだったが、家《うち》でたべる西洋料理は、塩胡椒の味だけで白ソオスも、トマトソオスも使わない、挽肉から出る肉汁《スウプ》だけでたべるキャベツ巻き。上等の牛肉をキャベツと一緒に繊維の形にバラバラになる程煮込んだ、これも塩胡椒の味つけのもの。挽肉と人参のみじん切りを馬鈴薯の漉したので包《くる》んで揚げたコロッケ、ドイツ・サラダ等で、どれも私の最高に好きなものだ。栗や薩摩芋を醤油と砂糖で煮たもの。牛乳入りココア。そうして葉巻は何より好きだった。私は鴎外の子でよかった。父親のように想っていた犀星の好きなのは冷えて油が凝固した鰻にゴリ、支那のお菓子、いずれもヘキエキである。卵焼きだけはよろしい。
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