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記憶の絵18

时间: 2020-03-30    进入日语论坛
核心提示:続・借金或日、田村俊子賞の授賞式で(倉橋由美子氏がその日は貰った)鎌倉の東慶寺に行った時私は財布を忘れて行った。満七歳の
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続・借金

或日、田村俊子賞の授賞式で(倉橋由美子氏がその日は貰った)鎌倉の東慶寺に行った時私は財布を忘れて行った。満七歳の尋常一年から延々五十何年と忘れものをし続けていて、財布を忘れてバスに乗ったり、タクシに乗ったり、は年中である。私が安心した顔でバス、或はタクシに乗っていれば、財布を持っている幸福な日である。バスは一《ひと》停留所であやまって下りるが、タクシの時はアパルトマンの前から隣りの家の方へ塀を一間位走っただけで百円をまき上げられる。だから出かけたと思うと財布をとりに舞い戻るが、萩原葉子が同行の時には待合せの喫茶店に行く途中で気がついても図々しく構えて、引返そうとはしない。その日は萩原葉子が出してくれるからだ。時々葉子に千三百円借りているなあ、と思っていると、いつのまにか私の方が貸した金と差引きであと二百円でいいと葉子が言う。そうかと思うと又私の借金の方がはね上がっていてギョッとするが、けちで欲張りのフランス精神であるから、その内又減るだろうと思っていると絶対減らない。どこかへ持って行く果物を買う時、(葉子さんの頂戴。私出しとくから)といって千円札を二枚ひらひらと出すと、(あああったわ。そうそうこの間貸したの、これ貰っとくわ、あと三百円よ)なんて言って葉子は私の手から千円札を一枚無慈悲にも取り上げる。なんで急に思い出すのか、全く気の知れない葉子である。困っている時親切に貸してくれた友だちが当然返すべきものを持って行くのを、なんで思い出すのかと怒《いか》っている。誰にきかせたって直さなくてはいけない図々しさであり、我儘であるが、当人は内心、≪プルウストは大作家になった晩年でも魂は十歳の幼児で、生きた鼠を下男に帽子の留針で突刺させて喜んだ。私はえらくはないが幼児性が残っているところはプルウストである≫と得意になっているのであるから、つける薬はない。神様も匙を投げているらしい。
ところで萩原葉子の財布によりかかって会場に着いたが、着いた頃には葉子の財布が心細くなって来た。帰りの汽車賃がやっとだと言う。そこでどうしたかというと私は瀬戸内晴美氏に会費の借金を申込んだ。ちょく[#「ちょく」に傍点]で、一番気楽に貸してくれそうだったからだ。見当をつけられたのは瀬戸内晴美の災難である。それだけならいいが、大《おお》黄金餅《がねもち》が出て、二、三人の人がお土産の分を注文した時、私は財布がないのを忘れて、二百円の箱入りを注文した。全くどうなっている頭なのか、注文してから気がつき、又もや瀬戸内晴美に、あやまりながら頼んだ。莫迦《ばか》ねえと葉子が睨んでいる。私がこういう頭に生れたということは私の不幸というよりも、はたの人間の不幸のようで、瀬戸内晴美は私が大抵の日忘れていたのと、会う機会もないのとで翌年の田村俊子賞の日まで返金して貰えなかったのである。それも萩原葉子が時々思い出させてくれ、その日も催促してくれたから、返金出来たという次第である。
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