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記憶の絵34

时间: 2020-03-30    进入日语论坛
核心提示:貴族と庶民私の父親という人は貴族主義というか、貴族好きの人物だった。世間には私の父親の貴族好きとはあべこべに、貧民好き、
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貴族と庶民

私の父親という人は貴族主義というか、貴族好きの人物だった。世間には私の父親の貴族好きとはあべこべに、貧民好き、というような人もあって、彼らは大きな家に住み、自動車《くるま》に乗って歩いているのに、二言《ふたこと》目には庶民、庶民、と言うのである。現在の暮しについて語るのはきらいで、昔の貧乏だった頃の話をよくするが、その話し具合には(自分は庶民だった。従って庶民のことがよくわかる。だから自分は庶民の味方である)と言っているようなニュアンスがある。無論、金は昔より持っていても本当の庶民でいる人もある。地味な私小説を書く人の中の或人々である。私の親友の萩原葉子は、父親の萩原朔太郎の印税がまだ入って来て、本人もいくらかは稼いでいるにも係らず、庶民である。萩原朔太郎の父親は相当に金持ではあったが町の開業医、私の祖父も細い収入の町医者だった。それなのに萩原朔太郎も、私の父親も、同じような意味で貴族だった。だから貴族的だったり、庶民だったりするのは、本ものの貴族や、本ものの庶民を別にすると、それぞれの人間のたちによるものらしい。
室生犀星は晩年しか目で見てはいないが、庶民なぞという言葉を口から出したことがなく、貧乏時代を文学にこそしたが自慢にすることはなかった。そうかといって貴族好きでもない。彼は金が入るようになるのに従って自然に身について来た様子、いってみれば金のある小説家、という感じの人になり、全く自然だった。子供の時地位の低い侍と、心の柔《やさ》しい女との間に生れて、大酒呑みの女に養子にやられ、貧乏ぐらしをし、やがて文学を志し貧乏書生になり、だんだん偉くなって金のある小説家になったのである。彼は庶民好きでも貴族好きでもなく、金持ぶりたくもなくて、単純に生《き》のままだった。若い頃(馬込に家を持ったころ)の彼の写真を見ると、全くの庶民である。彼はそのころ本当の庶民ぐらしだったのだ。
私の父親や、萩原朔太郎の場合は、貴族ぶっていたのではなくて、天然自然に貴族的であって、従って彼らの文学は高踏的だった。私は地位が出来、金もいくらか入るようになってからの父しか知らないが、どこにも貧乏な町医の伜《せがれ》の感じはなくて、彼が立ったり座ったり、何か言ったり、又は何かしているところ、たべているところを見ても、貧乏の匂いがなかった。萩原朔太郎も、エリート族の子供ではなかったし、金もあまり入らなかったが、どの写真を見てもじつに貴族で、ロシアの落魄《らくはく》した貴族、ナザァロフの息子、というような感じである。彼は私の父親より体も細く、坊ちゃんで育ったためだけではなく、金のことはまるでわからない、という感じである。私の父は彼の詩〈月に吠える〉を読んで愕いて絶讃したが、それと同時に、高踏的、貴族的なところも、ひどく気に入ったのにちがいない。
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