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食味歳時記26

时间: 2020-04-20    进入日语论坛
核心提示:今 朝 の 秋01村井弦斎の『食道楽』をとりあげたのなら、木下謙次郎の『美味求真』を逸しては、片手落ちとなろう。この方は、小
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今 朝 の 秋01

村井弦斎の『食道楽』をとりあげたのなら、木下謙次郎の『美味求真』を逸しては、片手落ちとなろう。
この方は、小説ではなく、純然たる食物と料理の研究書であり、前者が明治、後者は大正の出版で、共に日本のよき時代の産物たることを、証してる。しかし、『美味求真』の方は、クロース装幀の洋綴じ本であり、七〇〇頁ほどの大冊で、定価五円というのは、当時として、非常な高価だったろう。後に、『統・美味求真』も出版されたらしいが、私はこれを所蔵してない。『食道楽』とちがって、『美味求真』の方は、構成も整然として、食物や料理の歴史、美味ということの研究、主として、魚類の研究と料理法の紹介が、微に入り、細を極めてる。その叙述は、衒学的ともいえるほど、博覧強記を誇り、文語体をもって、終始してる。従って、『食道楽』が女性間に多くの読者を獲得したに反し、『美味求真』の方は、男性といっても、知識階級の好事家に止まり、そんなに売れた本とも、思われない。また、食物の歴史で、国外に触れたところはあっても、著者の知識は、東洋と日本が主で、料理法の紹介も、中国料理か、日本料理——ことに、後者が大部分である。
それにも拘らず、というよりも、その故に、私はこの書を以て、サヴァランの『味覚の生理学』に対応する、日本人の仕事として、誇りを感じる。この書も、『食道楽』も、食うこと、味わうことにかけて、日本人が優秀民族の血を持ち、どこかの強大国民と、比すべからざる趣味と感覚に、恵まれてる点を、知り得るのである。
そして、面白いことに、著者の木下謙次郎は、たしか、政友会の代議士で、書記官長ぐらいやったらしく、まんざらの陣笠でもなかったろう。今の代議士に、食糧政策の専門家はあっても、食物や料理の蘊蓄を持つ者は、あるわけがない。そんな人間的余裕は、すでに政治家を見捨てて、久しい。
それに、私が感心するのは、木下謙次郎という人は、稀代の食いしん坊ではなかったかと、思われる点である。『美味求真』中に、彼の写真が数葉載ってるが、第一に、人相が面白い。ずいぶん小さな男で、ひどく痩せてて、顔ばかり巨きい。どうやら、餓鬼道に堕した人間みたいである。その貧弱な男が、浴衣の袖をまくりあげ、痩せた腕を露わし、包丁を握ってる写真が、どう見ても、代議士ではない。生きたスッポンとウナギを、自在に料理するコツを、著者自ら示してるのだが、その姿も、手つきも、実にイタについてる。そして、自ら料理して、ウマいものを食ってやろうという、気魄みたいなものが、写真に溢れてる。食いしん坊の証拠であろう。
著者は、大分県が選挙区で、あの地方は、私の亡父の故郷だから、よく知ってるが、スッポン、フグ、鮎、ウナギが、名物である。恐らく、著者は、幼少の頃から、それらの魚に親しみ、その習性を熟知し、捕獲法や料理法も、よく心得てたにちがいない。そして、『美味求真』のなかでも、以上の魚の講釈には、他と比べられぬほど、多くのページを、費やしてる。
しかし、根が器用で、マメで、そして、食いしん坊だった人で、代議士になってからも、包丁を握ったり、料理屋へ行っても、板前に文句をいったり、食通を以て、任じてたろう。愛すべき人物だったろうが、政治家になるよりも、料理人となって、客に講釈をならべてる方が、幸福だったのではあるまいか。どうも、そういう生れつきの人のような気がする。
しかし、木下謙次郎にしろ、村井弦斎にしろ、あれほど食味のことにかけて篤学の士は、もう、現代にいない。玄人、素人を通じて、いないだろう。『食道楽』と『美味求真』の二書が、明治、大正に、相次いで現われたきりで、その後、目ぼしいものも見当らないところを見ると、日本のグールマンディーズも、文献的には、向上したとは、いえないのだろう。
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