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食味歳時記28

时间: 2020-04-20    进入日语论坛
核心提示:今 朝 の 秋03 小芋の煮つけに、柚子の香を欠いたら、新秋の味は、半減するだろう。また、焼き松茸の場合も、同じことがいえる
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今 朝 の 秋03

 小芋の煮つけに、柚子の香を欠いたら、新秋の味は、半減するだろう。また、焼き松茸の場合も、同じことがいえる。もっとも、松茸は、中秋に食うべきもので、その頃は、柚子も、青蜜柑ほどの大きさに育つが、新秋の柚子は、青く、小さく、堅く、果実ともいえぬほど、幼げなものだが、その香気は、まったく鮮烈である。あれほど、効果があれば、�走りもの食い�ともいえず、正しい食べ方なのだろう。
秋の柚子と、春の木の芽は、日本の香味料として、双絶といえる。その添加によって、季節の食べ物が、どれだけ魅力を呼びさますか、知れない。小芋や、焼き松茸に限らず、柚子の薬味の用法は、秋に多い。
しかし、柚味噌や、柚餅子《ゆべし》のようなものはいいが、柚子の香を、菓子に用いたものを、私は好もしく、思わない。四国には、そういう菓子が多いが、匂いが邪魔でしようがない。
しかし、柚子や木の芽の香りを、西洋人が好むか、どうか。あんな、青くさい、原始的な香味料を、そのまま使うのは、料理の法に外れてると、思うかも知れない。西洋の香味料は、乾燥したものが多いし、数種を混入するし、複雑な味は出るにしても、情趣だの、季節感を、求めはしないだろう。レモンだけは生食で、洋食には欠かせないが、魚や肉の臭気を除く目的だから、柚子の効用と少しちがう。それに、レモンは、年中、入手できることが、長所であり、欠点である。季節の恵みの上に立つ、日本料理の本質からいうと、もの足りないのである。
その他、紫蘇《しそ》にしても、茗荷《みょうが》にしても、日本人でなければ、香味料として、とりあげなかったろう。両方とも、雑草に過ぎないが、素朴で、いさぎよい香りが、どんな食物と調和するかを、われらの祖先は、よく探り当ててる。そして、シソの香りは、まったく日本的であって、西洋人には通用しないものの、最たるべきである。
そういえば、早春の蕗の薹《ふきのとう》も、不思議な香味料で、あの苦さと匂いが、ハマグリの吸物に適してることなぞ、よくも考えついたものである。
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