ひかり弾丸《たま》と降れば
一兵の意志もて顔を上げよ。
風に透明な血潮を流し
匂い絶つ日にも
進路そこに展けて
遠いラッパをきく。
匂い絶つ日にも
進路そこに展けて
遠いラッパをきく。
花よ、空を突け
美しき力もて。
美しき力もて。
この通りであったかどうか、わかりません。花の流す血は透明で済んだかも知れませんが、戦いの進路に、あまりに多くの人間が血を流してしまった第二次世界大戦。その川の向こう岸に私の幼年があり、こちら側に終戦後の歳月がひらけ、ちょうど戦争に架《か》かる橋を渡る、その時期に私のいちばん若かった日、があるのでした。
ふたりが逢う、それまでのたくさんな起伏。お互い、うしろにいくつかのガイコツをガチガチ鳴らしていても不思議のない過去を遠くしりぞけ合って、ほんのわずか話をかわし、また逢う機会もあまりなさそうなことを感じ合いながら、ごく普通の挨拶で別れました。日常とはこうしたものなのでしょう。なつかしくもない詩と戦争のエピソードです。
ずいぶん生きてきた、と思いました。この先、ほんとうにひとりぼっちの老年が私をおとずれたとき、詩は私をなぐさめてくれるでしょうか? 冗談ではない、という、もうひとつの声が私をたたきます。そんな甘ったるいのが詩であるなら、お砂糖でもナメテオケ。
ふたりが逢う、それまでのたくさんな起伏。お互い、うしろにいくつかのガイコツをガチガチ鳴らしていても不思議のない過去を遠くしりぞけ合って、ほんのわずか話をかわし、また逢う機会もあまりなさそうなことを感じ合いながら、ごく普通の挨拶で別れました。日常とはこうしたものなのでしょう。なつかしくもない詩と戦争のエピソードです。
ずいぶん生きてきた、と思いました。この先、ほんとうにひとりぼっちの老年が私をおとずれたとき、詩は私をなぐさめてくれるでしょうか? 冗談ではない、という、もうひとつの声が私をたたきます。そんな甘ったるいのが詩であるなら、お砂糖でもナメテオケ。