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酒を愛する男の酒07

时间: 2020-05-25    进入日语论坛
核心提示:摘み草の頃ひところ、春がやってくると、都心からかなり遠い国立《くにたち》市のわが周辺は、にわかに賑《にぎ》やかになった。
(单词翻译:双击或拖选)
摘み草の頃

ひところ、春がやってくると、都心からかなり遠い国立《くにたち》市のわが周辺は、にわかに賑《にぎ》やかになった。それは摘み草をする友人たちがたずねてくるからだ。摘み草は国立にかぎる、と当地を名所にしたのは、わが隣人、山口瞳さんである。
山口さんが国立に越してきて間もなく、山口さんと、近くの多摩川に散歩に行った。散歩のついでに摘み草をして、ハンカチや帽子にいっぱい、セリだとかヨメナ、ツクシンボをとって家ヅトにして帰った。
私はそのまま山口さんの家に寄って、ツクシンボの袴《はかま》をとり、セリは根を切って茎をそろえ、油でいためたり、ゴマよごしにして、いま摘んできたばかりの春の草を肴《さかな》に一杯のんだ。酒が終る頃、ヨメナごはんができた。ヨメナは茶碗の中で鮮烈な緑であった。
それからというものは、山口さんは摘み草が病みつきになったのである。そして私に、行こう行こうというのである。そんなに行きたければ一人で行けばいいのだが、山口さんはツクシのはえる場所がわからない。ヨメナと雑草の区別がわからない。だから一緒に行こうというのである。
そしてとうとう摘み草のことを随筆にまで書いたり、夜の銀座などで吹聴《ふいちよう》もした。それだけではおさまらなくて、摘み草会の発起人になり、幹事役になるのである。その都度、私は地元議員兼農夫のような役割を果たすようになった。
伊丹十三氏の『ヨーロッパ退屈日記』が単行本になった時も、版元の担当記者である竹内さん夫妻など、ごく内輪の人だけで摘み草出版記念会というのをしたことがある。ささやかだが、いい会だった。会を企画した山口さんは、出版記念会としては秀逸、アイデア賞ものだと大いに喜んでいた。
さて、そのほかどんな摘み草会があったか? と思い出してみると、四月になってはじめての日曜日に、文藝春秋の田川博一さん一家、梶山季之さん一家、そして地元の山口さん、私と、四家族で一日中田んぼの畔《あぜ》で楽しんだことを思い出した。
いかに草深い国立とはいえ、すでに大きな団地が二つもできて、急激に人口が多くなった。だから前のように気軽に散歩のついでにツクシをとる、というわけにはいかなくなった。それに四月をすぎるとツクシンボはそろそろ品薄になる。山口さんが心配して、真剣な顔をして、「何とか頼みます」というのである。そこで少しばかり遠くまで車を走らせた。多摩川の支流の浅川の、そのまた支流である大栗川の方へ行ってみた。あてずっぽに車を止めて、「ここらへんはどうだんベェ」と、田んぼの傍らの土手に立ってみたら、ツクシンボの林なのである。山口さんが感激して、「あなたは天才です」と握手を求めた。遠来の客を前にして、地元議員としてはホッとしたのである。そこで四家族・4×3=12人が歓声をあげてツクシンボに突撃した。
ツクシをとってから、今度は田の畔でセリとヨメナをとることにした。私が、セリはこれで、ヨメナはこれ、とまずサンプルを示し、田んぼに散開した。ところで粋《いき》なチロルハットの田川さんは、野草なんてものは馬が喰うほど生えているものだと達観して、はやウイスキーをのみはじめている。
そして企画委員の山口さんは何回教えても、ヨメナとヨメナに似た雑草との区別がつかないのである。しこたまとって私のところに持ってくるものは、断然ヨメナではない。
「しかしカロリーはありそうだ」
などとしょげるのだが、とうとう、
「取ったものでも洗いましょうか」
とか、
「何か運ぶものはありませんか」
とか、摘み草作業からおりてしまうのだ。
ところでわが流行作家、梶山さんは、私の示すヨメナを、餌《えさ》に顔をよせてくる動物園のラクダのように、いよいよ眼を細めて観察し、「これがヨメナっちゅうもんかい」と納得するや否や、猛烈な勢いで摘み出すのである。そのスピード、そしてそのスタミナ、その勇姿をみれば、なるほど、一日百枚の原稿なんてものの数ではないと思われる。
私たちは枯草の中にひそむ春の息吹きを、思う存分摘み草してから、田のへりにつづいた丘にある小っちゃな神社で食事をした。
車をおりたところからは、かなり離れたところなので、酒や食物を運ぶのも一仕事であったが、そんな時の梶山さんは白い鉢巻をして、大づつみをかついでいくのである。
男は酒、女房族はオシャベリ、各家の子供たちは高校二年から御年《オントシ》四歳までレパートリーにとんでいるが、ナゾナゾなどして遊んでいる。折しも徳川家康ブームの頃だったので、
「もし家康がいま生きていたらどうなったでしょう?」
などといっている。その答えは、
「日本の人口が一人増えるでしょう」
なんだそうである。
私たちは、春の陽ざしの中で他愛なく笑った。それにしても、この家族は皆、一人っ子である。女房は各一人ずつ(これはまあそうであろうが)。何故に? 一人っ子ばかりなのだろうか?
都合で来られなかったムラさん(村島健一さん)のところも、開高健さんのところも、申しあわせたように一人っ子である。
私がそんなことをふと考えている時、鉢巻姿でグラスを傾けていた梶山さんも、思いはひとつらしく一人言のように言った。
「何故? 一人しかとれんもんじゃろか?」
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