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国盗り物語34

时间: 2020-05-25    进入日语论坛
核心提示:女買い 加納城主になった庄九郎の毎日は、ひどくいそがしい。庄九郎は、目標を二つ樹《た》て、すべての精力と智恵と行動を、そ
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 女買い

 加納城主になった庄九郎の毎日は、ひどくいそがしい。
庄九郎は、目標を二つ樹《た》て、すべての精力と智恵と行動を、それに集中した。
一つは、美濃八千騎の地侍どもの慰撫《いぶ》である。
(どこの馬の骨かもわからぬような男に、川手城につぐ美濃第二の要城を乗っとられてたまるか)
と、たれしもが思っている。人間通の庄九郎に、その感情がわからぬはずがない。
(思うのが当然なことだ)
庄九郎は、ひとりおかしかった。
どう慰撫するか。
(わし自身にはできぬ)
それだけの権威が、まだ庄九郎にはない。
(ただ一つ、策がある)
それは、あたらしい守護職、国主、美濃守、お屋《や》形様《かたさま》であられる土岐《とき》頼芸《よりよし》の神聖権を利用することである。
美濃八千騎といっても、かれらは、鎌倉《かまくら》以来ここで勢力を扶植《ふしょく》してきた土岐家の一門、一族、姻戚《いんせき》、遠縁関係にあたる者ばかりで、いわばこの一国は一つの巨大な血族団体になっている。
その宗家(本家)が、守護職頼芸なのだ。
当時の日本人の宗家への気持は、信仰といっていいほどのもので、この信仰がわからなければ、頼芸がこんどあたらしく就《つ》いた「守護職」という地位のありがたさが読者にはわかりにくい。
守護職は、その後に天下にぞくぞくとむらがり出てくる出来《でき》星《ぼし》の成りあがり大名とはちがい、血族の「神」なのである。
そのころまでの日本民族は、氏族社会の連合体であった。とくに武士にあっては。
余談だが、日本史の治乱興亡を通じて、なぜ天皇家が生き残ってきたかといえば、この血族信仰のおかげである。
氏族の頂点に、天皇家があるのだ。土岐家は源氏で、その遠祖は八幡《はちまん》太郎義家にさかのぼり、さらにそのかみは清《せい》和《わ》天皇から出ている。源平藤橘《げんぺいとうきつ》すべて、その祖を天皇家におく。
当時、どの日本人も、むろん土民までも、遠祖はその四姓のいずれかであると称した。
たとえば庄九郎は自分のモトの姓の松波氏が遠くは藤原氏から出ていると称している。のちにかれの女婿《むすめむこ》になった織田信長は、はじめは藤原氏と称し、途中で平氏に変えた。徳川家康は伝説的な家系をつくり、源氏と称した。
それら、日本人のすべての氏の総長者《そうちょうじゃ》が天皇なのである。
血族信仰の総本尊といっていい。だからその存在が神聖とされ、いかなる権力者も、革命児も、この存在を否定することができなかった。
それの地方的規模が、美濃では土岐の宗家である。頼芸は美濃氏族団の小天皇であり、美濃では犯すべからざる「神聖」であった。
庄九郎は京都うまれだから、各代の権力者が、この天皇という非軍事的な神聖宗主をいかにたくみに利用してきたかを、知りぬいている。
そのこつ《・・》で、かれがその地位につけた美濃の小天皇頼芸の神聖を大いに利用した。
むろん、頼芸に苦情をいいにくる一族、一門の者が多い。ひどく多い。
「あのような氏素姓《うじすじょう》も知れぬ者をお近づけになりませぬように」
と、かれらは頼芸に耳打ちする。
が、頼芸は、庄九郎の貴族的教養にシンから惚《ほ》れこんでいるから、庄九郎の自称する家《・》系《・》をも頭から信じこんでいた。
「なに、たかがあぶら屋と申すか。そちらは知らぬからそう申すのだ。かれは北面《ほくめん》の武士(仙洞《せんとう》御《ご》所《しょ》の武官)松波家の正流であり、松波家は藤原氏より出ている。公卿《くげ》、殿上人《てんじょうびと》でないとはいえ、それに準ずる家系の出のものだ」
美濃源氏の宗家土岐頼芸が、庄九郎の血統に折り紙をつけるのだから、一族、一門の枝葉の者はそう信じざるをえない。
「されば貴《き》種《しゅ》でありまするとしても」
と、かれらはさらに膝《ひざ》をすすめていう。
「邪智に長《た》けた者でござりまする」
「言葉をつつしめ」
と、頼芸は、庄九郎に知らず知らずのあいだに教育されたとおりの返事をするのだ。
「あの者は、智と正義によってわしを守護職にしてくれた。そちなどがいうごとくかれの智恵が邪智であるとすれば、わしが邪《よこしま》な心で守護職の地位についたことになる。されば汝《なんじ》らはわしの地位を非とするのも同然。かれを悪態《あしざま》に云《い》うことは、汝ら、わしに対し謀反心《むほんごころ》があるといわれても仕方がない。それを押してなお申すか」
みな、だまってしまう。

第二の目標は、頼芸という小天皇をさらにより濃厚に庄九郎の手中のものにせねばならぬ、ということであった。
貴顕のうまれの者など、いつ気が変わるか知れたものではない。
(頼芸様をいよいよわしの掌中にかたくにぎりしめるには)
女である。
それしかない。
現に頼芸は、守護職と川手府城を得たとたん、ひどく好色になってきた。
「新《・》九郎よ」
と庄九郎をあたらしい名前でよび、ちょっと、気はずかしそうな顔をしていった。
「なんでございましょう」
「無理であろうな」
「なにが、でございます」
「わしが願望《ねがい》は」
「あははは、美濃の国主にさえして差しあげましたるこの長井新九郎利政、わが力でできぬことはござりませぬ。ことにお屋形様のおんためとあれば、天竺《てんじく》の空をとぶという金の翼の鳥といえども獲《と》って参りましょう」
「まことか」
と頼芸は少年のように眼を輝かせた。が、その下瞼《したまぶた》は、荒淫《こういん》ではれぼったく垂れている。
「さ、申されませ」
といいながら庄九郎、この馬鹿《ばか》がえがく夢とはどういうものか興味があった。頼芸のいまの精神の状態を知るには、必要なことだったのである。
(この馬鹿が、なにを望むか)
庄九郎は微笑しながらさりげなく、
「天《てん》下《が》でもほしいのでござりまするか」
「いやいや、左様なものはわしには持ち重りがしよう」
(そのとおりだ)
庄九郎は内心、おかしくて仕方がない。しかし、ひと安《あん》堵《ど》しもした。国主になった以上望むのは当然天下であるべきだが、頼芸にはそういう方面の夢はないとみえた。
さらに、庄九郎はそれとなくきいた。頼芸にどれほどの政治的野望があるかを。
「されば、隣国の尾張でござるか。いやさ、隣国といえば近江《おうみ》もござるし、東は信州がござる」
「信州は寒かろう」
と頼芸の反応はとりとめもない。
「寒いのは、おいやでござるか」
「わしは洪水《こうずい》と吹雪《ふぶき》ほどきらいなものはないのを、そちは存じているはずじゃ」
「あ、左様でありましたな。されば近江はいかがでござろう。湖東の美田は、天下の諸豪の望んでやまぬところでござりまする」
「近江にはよい鷹《たか》がおらぬ」
「ははあ」
鷹は、画家としての頼芸が、好んでやまぬ主題である。いや、鷹しか描いたことのない男なのだ。現在《いま》でも美濃の旧家などで頼芸えがくところの「土岐の鷹」がいくらも残っているところからみて、月に何点となく描いていたのであろう。
「国がほしくないというおおせならば、頼芸様に恨みを抱く国人《こくじん》(地侍)の首でもとって参れというおおせでござりまするか」
「左様な者がいるのか」
「おらぬ、とは申せませぬ。げんに御《ご》縁辺《えんぺん》におりまする」
と庄九郎は、暗に自分に対する反対勢力の総大将である長井利安《としやす》の顔を思いうかべながら、いった。
「あははは、左様な者はおらぬ」
と、これだけは頼芸は断言した。そうであろう。美濃の神聖宗主に逆《さから》おうとするような者がいるはずがない。
「新《・》九郎、女だよ」
「なるほど。左様なことなら、いと易《やす》うござりまする。人間の人数の半分は女でござりまするからな」
庄九郎は、いよいよ上機嫌《じょうきげん》だった。その安気そうな庄九郎の顔をみて、頼芸はこまったような表情をした。
「新九郎、女は女でも、チトちがうのだ」
「むろん、美人でありましょうな。お屋形様のお好みは、よく存じております」
「それはありがたいが、美人というほかに願《のぞ》望《み》がある」
「のぞみがあればこそ、人間でござりまする。シテ、どのような?」
「天子の内親王《おんむすめ》がほしい」
あっ、この阿《あ》呆《ほう》は。と庄九郎は一瞬がく然としたが、驚きは顔に出さず、
「よう打ちあけてくださりました。では早速ながら調えて参りましょう」
物でも運ぶような調子である。
「新、新九郎、たしかにそちは請けおうてくれるか」
「さん候《そうろう》」
「易《やす》う請けおうて、わしを期待《たのし》ませておき、あとであの話は成りませなんだ、と申してわしを悲しませるのではあるまいな」
「この山崎屋」
といいかけてあわてて、長井新九郎、と言いなおし、
「左様なことをしたためし《・・・》がござるか」
「まあ、それほどの難事だというのだ」
「難事でも、お屋形様を美濃の国主になし奉ったほどの難事ではござりますまい」
「まさか、何者とも知れぬ京女をつれて参って、これが内親王と申すのではあるまいな」
「自慢ではござらんが、この新《・》九郎、山崎屋と申しましたるむかしから、油の良質さは天下第一でござりました。品物だけは確かな男でござりまする。現に、お屋形様はまやかし《・・・・》でもなく、歴《れき》とした美濃の守護職におつきあそばした」
庄九郎がもってくる品物は信用ができるという意味であろう。
「頼む」
と頼芸は、手を合わせた。
美濃の君主になったとたんに、それにふさわしい栄爵《えいしゃく》を、高貴な女性《にょしょう》を得ることによって表現したかったのであろう。
いや、頼芸も男だ。京にのぼって天子を擁し、天子の次位の位につき、関白《かんぱく》か将軍になって天下に号令するというのも戦国男子の道かもしれないが、頼芸はそのかわりに天子の娘を得るという裏街道で、よく似た快事を味わおうとしているのにちがいない。
(夜具の上での天下取りじゃな)
庄九郎は、頼芸がおかしかった。
「さればお屋形様、いまの御台所様を放逐なさるのでござりまするか」
「め、めっそうもない。あれはあれじゃ」
「されば側室に?」
「まあ、そういうことになる」
「それはむずかしゅうござりまするなあ」
といったが、なんの、正式の婚儀のほうがよほどむずかしい。公卿の最高の家格である五摂家の姫君ならこういう乱世だから、むしろよろこんで地方豪族の宗家にやって来ぬともかぎらないが、内親王がそのままの地位で実力大名の正室になったという話は、あまりきかない。
(むしろ、側室のほうが話が早い)
庄九郎は、御殿を退出した。
加納城にもどると、赤兵衛に用件の筋を云いきかせ、すぐ京にのぼらせた。天子にはどういう姫が在《ま》すか、下調査をしておくためである。
赤兵衛が出発するとき、庄九郎は、
「わしが上洛《じょうらく》すれば話がつくような様子ならすぐ急飛脚を差し立てよ」
といっておいたが、日ならず、赤兵衛から急飛脚がやってきて、赤兵衛の手紙を庄九郎に渡した。ひらくと、
(これでも文字か)
とあきれるほどへたくそな文字で、
——一人、おり申候。
と書いてある。下《げ》賤《せん》は不敬なものだ、と庄九郎はにがにがしそうにそれを破りすてた。
庄九郎は、深《み》芳《よし》野《の》や城中の腹心の者には、
「ちょっと、さる御《お》山《やま》へ参籠《さんろう》にまいるゆえ、たれにもわしが不在じゃとはいうな。みなには病気引き籠《こも》り中と申しておけ」
といった。
いまのような物騒な世では、城主がおらぬとわかれば、城外の勢力はいうにおよばず、城内からも反乱がおこらぬとも限らない。
庄九郎は、耳次など、心きいた郎党十人に油商人の恰好《かっこう》をさせ、むろん自分もむかしのその装束《しょうぞく》にもどって、夜陰城を出、中仙道《なかせんどう》を大いそぎで京へのぼった。
山崎屋のそばまでくると、店さきはあいかわらず荷作り、荷出しで賑《にぎ》わい、庄九郎が居た当初と繁昌《はんじょう》ぶりはすこしもかわらない。手代の杉丸《すぎまる》らが力をあわせて店をまもっている証拠なのだ。
ぬっと店の土間へ入ると、
「あっ、旦《だん》那《な》様」
と、杉丸が白昼ばけものを見たようにびっくり仰天した。まさか、前触れもなしに庄九郎が帰ってくるとは思わなかったのであろう。
「なにを驚く」
庄九郎は、店さき、店の中、使用人の働きざま、手代の指揮をじっと見、
「ぬからず精を出しておるな」
と満足そうにうなずいた。
さらに、桶《おけ》のふたをとり、指を油につっこんで舐《な》めてみた。
ちょっと考えた。
「品質も落ちておらぬ」
すっかり、以前の山崎屋庄九郎にもどっている。
「早速、お万阿《まあ》御料人様にお報《し》らせいたしましょう」
と杉丸がとびあがるようにして駈《か》け出しかけたが、庄九郎はおさえた。
「いや、驚かしてやろう」
庄九郎は土間で足をすすぎ、旅塵《りょじん》でよごれた衣装をぬぎすて、京第一の大資本の旦那らしくちかごろはやりの絹小《こ》袖《そで》に手を通し、帯を締め、水で髪をちょっとなでつけてから、美濃から連れてきた長井新九郎利政としての郎党どもに、
「店の者も美濃の郎党もおなじわしの身のうちだ。店の者、いたわって世話をやいてやれい」
「はい」
この旦那が好きでたまらぬ杉丸は、勢いよく返事をした。
「頼むぞ」
と、庄九郎は奥へ通る。
お万阿は、自室にいた。
庭のみどりが、縁の日射しをまっさおに染めている。
庄九郎は廊下から忍び足で入り、すわってなにやら、錦《にしき》のつづれを縫いあわせている様子のお万阿の両眼を、背後から、
「うっ」
とおさえた。
「た、たれ?」
お万阿は驚いてもだえた。
「わしよ」
「あっ、旦那様」
喜びで、いっそうにもだえて庄九郎の手をもごうとした。
「じっとしていろ、そのままで」
と、庄九郎は背後から抱きすくめた。深芳野にはない豊満な肌《はだ》の感触が、ひさしぶりにお万阿への庄九郎の慾望をよみがえらせた。
「そのままにしておれ」
と庄九郎はお万阿の両眼をおさえたまま押し倒し、両股《りょうもも》を割らせた。
「い、いけませぬ。たれか参ります」
「夫婦《みょうと》だ、憚《はばか》ることもない。店の者にもみせてやれ」
すぐ庄九郎の慾情がお万阿に移り、お万阿も夢中になった。
両眼をおさえられたまま。
「見せてくださりませ、お顔を」
うわごとのようにいっている。
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