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花の百名山34

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:五葉山  ミネザクラ(バラ科) |五葉《ごよう》山の名は、気仙沼にいく度に、その土地のひとから聞かされた。その名を口にす
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五葉山  ミネザクラ(バラ科)  
 
 |五葉《ごよう》山の名は、気仙沼にいく度に、その土地のひとから聞かされた。その名を口にするとき、何ともいえない親しみをこめて言う。地図で見ると、三陸海岸の|唐丹《とうに》湾の真西に当っていて、気仙沼湾はその南に当っているけれど、東北地方の東部を走る北上山地では、主峰とする早池峰の一九一四メートルに次いで、一三四一メートルの五葉山が高い。旦つ一番海寄りにある。リアス式の湾入がたくさんある太平洋岸の港々の船たちは、沖合はるかに五葉山の姿を眺めて、その位置をはかったのではないだろうか。秋も半ば、一関での用をすませたあと、大船渡から赤坂峠まで、途中、大理石海岸、碁石海岸などの、美しい海岸線に沿って車を走らせた。
五葉山の北には、昔からの民話をたくさん残している遠野の町がある。交通の不便だった昔は、文明開化の波に洗われることも少くて、古くからの民話も大事に伝えて来たのであろう。赤坂峠で車を下りて白樺やミズナラやブナの中の山路を辿る。
赤坂峠は七百メートルのところにあり、熊野川の谷に沿って東に下れば唐丹湾である。海まで直線距離にして六キロとないところなのに、峠までの大沢沿いの道は、白樺や|栂《とが》や檜やブナの原生林で、これらの森の中には天狗が棲んでいると言われ、クマやシカやカモシカやサルなどを見ることもしばしばであるという。殊にシカは多くて、笹の葉の食べ工合から見ると三、四千頭はいるかもしれないという。峠から上の林道には、巨大な花崗岩があちらこちらと露出していて、天狗がその上を居場所にしていたから畳石とか、腰かけていたから腰かけ石とかの名をつけている。
ウバが石という名の巨石もある。
かつて、女人禁制であったとき、禁を犯して登った女があり、巨石がその上に落ちて死んだ。その石の形が|姥《うば》に似ているとしたのだが、女人が登って、男子の修験道にはげむのを邪魔することをおそれたのか、戸隠にも立山にも、禁を犯して登った女が石に化したという伝説がある。
天狗という魔ものは、描かれるとき、いつも修験者と同じような服装をしている。勿論、実在するはずはなく、山を男のひとだけで独占しようとした修験者たちが、天狗という架空の魔もので脅やかし、山に近よることをおそれさせたのであろう。山に登った女の上に落ちて来たという石は、あるいは故意に女にむかって投げられたものではなかったろうか。いずれにしても、せっかく好きな山に来て、女であるために殺されなければならなかったとは、釈然としない話である。
五葉山は、暖流を運んでくる海に近いせいか、アスナロや檜など、暖かい土地柄によく生育する木々が多く自生し、中腹から上には這松が群生している。
わずか千三百メートル程の山で、北アルプスあたりでは二千五百メートル以上の山地に生育する這松の群生が見られるのも、北に傾いた緯度のせいであろう。
頂上には強い風が吹き、吐く息も白く手もこごえそうになった。十月のはじめで、もう気温が零度以下になるらしい。一人一人立っていると吹きとばされそうなので、私たちは固まって歩いた。頂上に珍らしいという這松の中の湧き水が、湧くそばから薄氷している。
晴れた日で、北に早池峰や岩手山が、堂々たる山容を誇っているけれど、とても眺めていられるような風速ではなく、そうそうにして、風下になる南斜面を下った。
這松の下には、南向きで暖かいせいか、ガンコウランやベニバナイチヤクソウが実をつけながらまだ枯れずに残り、アカミノイヌツゲの赤い実も見られた。
しかし南向きの斜面といっても、海からの距離が近くて、まともに海風を受けるせいか、白く美しい花を咲かせるというシャクナゲも、薄紅のかわいい花をつけるというミネザクラも、一メートルそこそこで、人間の腰の高さ位にしか育っていない。その花の盛りの頃にまた登って来たら、花の海の中を泳ぎわたってゆくような眺めになるのではないかと思った。
見わたす限りの原始林は黄に赤に紅葉しはじめて、いかにも天狗とやらが棲みそうな神秘さをたたえている。
夕暮れ近い太陽が、西の山の稜線を朱に染めはじめると、下りてゆく道の東方に当って、夕映えの雲の下に、紺青の太平洋が浮び上って来た。
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