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花の百名山38

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:夕張岳  ユウバリソウ(ゴマノハグサ科) |夕張《ゆうばり》岳には、かつての炭坑の町、夕張に一泊して早朝にバスで出発、明
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夕張岳  ユウバリソウ(ゴマノハグサ科)  
 
 |夕張《ゆうばり》岳には、かつての炭坑の町、夕張に一泊して早朝にバスで出発、明石町を経て、白金川とペンケモユウパロ川の分岐点にある登山口に着いた。頑丈な市営の山小屋が出来ていて、番人のひとが親切に熱いお茶を振舞ってくれた。年配の女ばかりが大挙して押しよせたのにびっくりもし、感心もしたのであろうか。小屋の前の湿地にはヤナギランやアザミやオニシモツケソウの類が美しく、この山の花の多彩さを予告するようであった。道は白金川沿いの旧道をとらず、ペンケモユウパロ川沿いの新道に入った。可成りの急勾配の起伏で、一の越、二の越と疲れをなぐさめてくれるような標識が立っている。いつかの正月のNHKの対談で、今西錦司氏と御一緒したとき、北海道なら大雪山をのぞけば、花の山は夕張とうかがった。一緒に登りましょうやとも言われたが、千の山を目指して、すでに八百近く登りつづけて来た大ベテランに、亀のように足のおそい七十キロの肥満体の私ではとてもついてはいけないとあきらめてしまった。
今西さんは千の山を果すために、今も年間三十の山は登られるという。そのあとで北大の犬飼哲夫氏におあいしたが、このかたも毎月の登山を欠かさぬという。いずれも七十代に入られてのかくしゃくたるお姿を見せられては、歯を食いしばってでも頂上までと、フウフウ言いながら上ったり下ったりしている道のかたわらに、花々はいっぱい溢れていて、高山植物にくわしい札幌からの山仲間たちは、一つ一つたしかめては、接写してカメラにおさめていた。
ミヤママタタビ、ムラサキツリバナ、ツバメオモト、タニギキョウ、キバナノコマノツメ、ウコンウツギ、オオバノヨツバムグラ、クルマバムグラ、ミヤマキヌタソウ、アラシグサ、オオバミゾホオズキ、ズダヤクシュなど、木洩れ陽もともしいほどに茂りあった原生林の中で、今まで見たどの場所よりも量が多く、草の勢いもさかんであった。
雪がいつまでもとけぬせいか、ユウパロ川が氾濫した名残りであろうか、道はしばしば湿地や池や流れにさえぎられ、泥濘に足をとられたが、そんな場所はまた、シラネアオイやイワイチョウやリュウキンカ、ミズバショウの盛大な群落地なのであった。歩きにくく苦しい登りも望岳台と名づけられた鞍部まで。道も乾き、花もユウバリタンポポ、ユウバリキンバイ、ユウバリクワガタと、ユウバリの名を負うものが次々に現われて、ガマ岩と名づけられた大きな岩のある草地の辺りをゆく頃は、快適なお花畑の中の散歩になった。
ミヤマオダマキ、イブキジャコウソウ、チシマフウロ、ヨツバシオガマなど、早池峰で見出したのと同じ花々が岩の間に、潅木のかげに咲き競っているのを見ると、早池峰と同じに、ここも花盛りの山をつくる蛇紋岩地帯なのだと思い、改めて、花と、その生い育つ土との関係を考えさせられた。
夕張本峰は一六六八メートル、白金川とユウパロ川との分岐点は三百メートル、千三百メートルの標高差をかせぐのだから、あごが出るのも当り前だとは思うけれど、花の豊富な山はやっぱりありがたい。
眼の前に鬱然と濃い緑に盛り上った本峰を見て、高原のようにひろがった第二お花畑の道を辿る頃には、さっきまでの難行苦行が、ゆめのように遠のいてしまった。本峰の背後や横には遠く富良野岳や芦別岳が連なっている。
七月もはじめでは、まだ本州の初夏の温度なのであろうか。せっかくのお花畑はエゾカンゾウの蕾も固く、ナンブトラノオもようやく長い花の穂を出したばかりでいろづいていない。この日は山麓から四時間かかって、石狩河口の宿に入らなければならないので、とにかく本峰まで、せめてユウバリソウの生えているところまでと急ぎに急いだ。
ユウバリソウは吹き通しとよばれる尾根筋の砂礫地の中に、風に吹きさらされながら、しがみつくようにして咲いていた。厚ぼったい多肉の葉っぱは、花をまもるように互生し、うすい赤紫の花は色柄も見えなくなるほどたくさんに固まってついていて、これも互いにかばいあい、内に一致して当れば外の敵もおそれないといった風情がある。大雪山の中岳の砂礫地で見たウルップソウに似て、あちらの方が葉も花柄も大きかったと思う。
同じ種類でも、ユウバリの名がつけられて、形がそれぞれに少しずつちがうものがこの山に多いのは、雪が深く風が強いこの山に生きる植物たちの知恵をあらわしているのではないだろうか。
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