日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

花の百名山84

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:藤原岳  アワコバイモ(ユリ科) 藤原岳には花が多いという。去年の春、大台ヶ原の大杉谷を下った帰りにバスをまわしたが、二
(单词翻译:双击或拖选)
藤原岳  アワコバイモ(ユリ科)   
 
 藤原岳には花が多いという。去年の春、大台ヶ原の大杉谷を下った帰りにバスをまわしたが、二日目の下りから降り出した雨が、強い風まじりのざんざん降りとなったので、民宿のかたわらにある藤原岳自然科学館で、館長の清水実氏から、映画や展示物の説明をうかがった。
この山が石灰岩を母岩とし、北方系、南方系の植物がいりまじって興味深いことがよくわかったが、花よりも私は、館内に飼われているマムシにぞっとした。秩父や奥多摩にも多いはずだけれど、まだ一度もあったことがない。パンフレットには、「マムシ多し」などと特記された谷がある。わざわざ書き出されるからにはよほどのことと恐ろしい。石灰岩といえば、全山がそれで固まっている伊吹山の近くで、ヤマトタケルノミコトは毒蛇にやられてそれがもとで死なれるのである。毒蛇とは被征服民族のことだといわれてもいるけれど、私は、本当はマムシにやられたのではないかと思っている。
一年たって、藤原町を再度たずねた。カタクリの咲き頃に合せて四月二十日すぎとした。
鈴鹿は雨が多いところだという。しかし、今回は一天雲のかげすらない日本晴れであった。
当日の案内は藤原岳の自然を観察し、保護することに情熱をそそぎこんでおられる清水氏。聖宝寺コースの石段を登る。寺の庭の池のほとりは、薄紅いろのクリンソウの花ざかり。池の中にはリュウキンカが真黄いろに咲いていて、花の山にふさわしい入口となっている。
一合目から三合目、五合目、かなり急な勾配を登る。スギの植林が多く、シロダモやヤブツバキやコクサギがまばらに林間を埋めている。ヤマアイが道ばたに茂り、アオイスミレ、エイザンスミレ、ヤブレガサ、オカタツナミソウ、オトギリソウ、オヤマボクチ、ダイコンソウ、ツルリンドウなど、見馴れた下草たちが芽を出している。スズシロソウやタガラシやワチガイソウやセントウソウはようやく白い細かい花をつけ、ヒキオコシの芽も若い。一年前のちょうど一月前にいった奥多摩の川苔山の谷のようである。これではまだフクジュソウが見られるのかもしれないと胸がはずんだ。二十日ほど前に、常陸の花園山の近くで、阿武隈の鎌倉岳の麓で、満開の野生のフクジュソウを見ていた。
六合目でブナやミズナラの明るい樹林帯に入り、石灰岩地特有のオーレンシダが目立ち、セツブンソウの花はもうおわっていた。ソバナ、シュウメイギク、ウバユリが芽ぶき、イチリンソウ、ニリンソウ、アズマイチゲが道の両側にあらわれてくる。花盛りである。奥多摩よりずっとたくさんある。紅花のエンレイソウもキクザキイチリンソウもある。フクジュソウも咲いていた。あちらこちらにいっぱい咲いている。東北・関東のよりは花が小さい。しかし野生のをこんなに見るのははじめてである。すばらしいを連発したら、清水氏が暗い声で言われた。以前はもっともっと多かったのに、心なく採るひとがいて、すっかり少くなりました。
何よりもうれしかったのは八合目に近い谷間で、エンゴサクやレンプクソウやニリンソウやカタクリの群落の中に、アワコバイモの花を見出したこと。クロユリに似てうつむき勝ちの白い花は石灰岩を好み、関西から西の表日本だけにあると聞いていたが、はじめての見参であった。バイモよりはずっと小さく、たった一つの花が何やら神秘的である。ヒロハノアマナもはじめてだが、二枚の葉の先に青味を帯びた縞の入っているのがしゃれている。はじめての花を見た時はいつも、それだけで登って来た甲斐があったと思う。
八合目から頂上までのササヤブの道では、指先も凍るような冷たい強風が吹き、やっぱりここは、日本海の風をまともに受けて、秩父や奥多摩より寒いのだと思った。ヒトリシズカ、ジンジソウ、ジャニンジン、ミスミソウ、スハマソウ、バイケイソウ、すべて花をつけず、シオガマギク、スズカアザミ、ベンケイソウ、シギンカラマツ、トリアシショウマの芽もまだ若い。
帰途は八合目からアブラチャンの黄の花の咲く大貝戸道の樹林帯を急いで下り、リョウブやタムシバやイヌシデ、クマシデ、チドリノキ、ミヤマイボタ、フサザクラ、ハウチワカエデ、ハナイカダ、ヤブニッケイ、ケンポナシ、コゴメウツギと、両側に茂る木々の名をあげ、タキミチャルメルソウや牧野氏が発見したという、ハコベに似たヤマトグサを見つけながら、一匹のマムシにもあわず、季節をかえてそれぞれの花の盛りに、何べんでもまた、藤原岳に来たいと思った。頂上から北西にむかい、石灰岩地特有の風景をもった天狗岩から、御池岳の方へもいって見たいと思った。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%