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花の百名山117

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:早池峰山《はやちねさん》   ナンブイヌナズナ・ミヤマオダマキ・ハヤチネウスユキソウ 早池峰の名を心にとめたのは、じつは
(单词翻译:双击或拖选)
早池峰山《はやちねさん》
   ナンブイヌナズナ・ミヤマオダマキ・ハヤチネウスユキソウ
 
 早池峰の名を心にとめたのは、じつは、花よりは、その山麓の|大迫《おおはさま》町の早池峰神社の社前で舞われる神楽への興味からであった。
戦前の、まだ、戦雲が日本の空を被わない頃、明治神宮の外苑の日本青年館に、郷土芸能の会があり、私はその舞台で、たしか天狗の面をつけた舞人であったと思うが、一人で舞う勇壮な踊りにすっかり魅了された。それはダッタンの踊りとじつによく似ていた。二拍子で激しく、足拍子もしたたかに跳躍する。ダッタンの踊りは前に日比谷公会堂でコーカサスのひとびとによって演じられるのを見ていた。日本の北方の文化は、東ユーラシア大陸からベーリング海峡を渡って、北海道から東北に流れていると思ったものである。
戦後間もなく、岩手県にいって新聞社のひとに聞くと、そのあたりは毎年の稲の収穫どきに、各町村に神楽が行われ、早池峰の舞人たちは忙しいとのこと。早池峰は修験道の信徒たちの尊崇の的であり、それゆえ、花も守られて来たのであろうと思った。四月の終わりだったが、せめて早池峰の麓までと、着物の上からのモンペの上下と長靴を買って、車で河原坊までつれていってもらい、左側の芽ぶき前のハンノキやナラの林の下の雪どけの草地に、もうカタクリや紅花のエンレイソウが咲いているのを見た。登ってゆくと岩ばしる清流のほとりの残雪の間に、大きなフキノトウが群生している。流れは増水していて、丸太橋が滑りそうなので残念ながら引き返し、それから数年しての夏の七月、いつもの山仲間とまた河原坊から入り、沢沿いに標高差九〇〇メートルを、ブナやコメツガやオオシラビソの樹林帯の急坂を登っていった。コミヤマカタバミ、ミヤマキケマン、サンカヨウ、ツバメオモトと見馴れた花がずらりと並び、チチブシロカネソウにも出あった。山梨の|黒川鶏冠《くろかわけいかん》山で、群落をつくっていた花である。その写真をとっている青年に声をかけた。
「ずいぶん花の多い山ですね」
青年は上の方へゆくともっともっとありますよ、と言う。私がチチブシロカネソウの話をすると、東北ではこの山だけとのこと。私の山仲間一番の植物通の|莱《らい》綾乃さんと私は、先にどんどん進んでゆく仲間とはなれて、クルマバツクバネソウやヒメタケシマランやズダヤクシュなど、どこにでもあるが、また、よくこれだけそろっていると感心しながら、青年と並んだり、青年がカメラを向けるナンブワチガイソウに足をとどめているうちに、青年が岩手大学の農学部を卒業して東京に就職していたが、ふるさとの早池峰の花に魅せられて、今はその花の撮影に情熱を傾けていることを知った。写真集『早池峰連嶺の花』の著者、土井信夫さんとのはじめての出あいであった。
土井さんの『早池峰連嶺の花』には、索引に二百種を超える花の名が上がっているが、ここにはまた、この地層が蛇紋岩地帯であること、北上山地の太平洋側に位置するために、積雪が少なく、気温が低くて、氷河期の植物を保存していること、ハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオ、ナンブトウウチソウなどの固有種や、蛇紋岩地特有のナンブイヌナズナ、カトウハコベ、タカネシバスゲなどのほか、チシマツガザクラ、トチナイソウの南限にもなっているなどが説明されている。
沢をはなれて岩礫地帯の急狭な道のかたわらのナンブイヌナズナの黄の鮮烈なこと。岩かげの紫のミヤマオダマキの大群落。土井さんがそっと教えてくれたトチナイソウのある草地。巨岩がごろごろしている頂上近くのハヤチネウスユキソウの気品。北海道の山で見たミヤマアケボノソウ。かなりの急坂にちっとも疲れをおぼえず、頂上の早池峰神社の奥社まで辿りつけたのは、ただただ花たちの豪華さのためである。しかし、私はここに悲しい報告を一つ。十年前にトチナイソウのことを書いたら、もうその場所にも他にもトチナイソウを見かけなくなったとか。今回、あまりくわしく早池峰の花について書きたくない思いである。なお道をへだてて薬師岳の一九一四メートルがあり、こちらは花崗岩の山だが、オサバグサの大群落がある。
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