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花の百名山145

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:三《み》ツ|峠山《とうげやま》   レンリソウ・フジアザミ いつも見る富士山は表側の、駿河からの眺めが多いので、裏富士、
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三《み》ツ|峠山《とうげやま》
   レンリソウ・フジアザミ
 
 いつも見る富士山は表側の、駿河からの眺めが多いので、裏富士、横富士はどうかと毎年の一月は、富士を見るためにその近くの山に登るのがこの十数年の習わしとなった。
富士山の成層火山としての典型的なかたちは、多くのひとに好かれて、昔から画家の絵にもたくさんとらえられている。東京から一年に何日間富士山が見られるかを研究しているひともある。高層建築やスモッグによって江戸や明治の頃からとは、ずいぶん大きな変化があるであろう。
私たちは一年のはじめにとにかく富士を見たいばかりに、山中湖や河口湖周辺の山々のてっぺんによく登った。三ツ峠は、三ツのピークを持ち、三ツ峠山の一七八六メートルが一番高い。|御巣鷹《おすたか》山は一七七〇メートル。毛無山は一七四〇メートル。富士山頂への直線距離は約二一キロ。三ツ峠山の南の杓子山は一五九八メートル。富士山までは一八キロ。その南の石割山は一四一三メートル。これも一八キロ。三ツ峠山の西の御坂山の一五九六メートル。黒岳の一七九三メートルは共に二一キロで、これらの山々は、いまの富士山が一万年前に出来上がったのに対して、もっと古く千六百万年前の海底火山の隆起したものである。富士山の新しい熔岩流は、これらの山々につきあたって止まり、その間に五湖をつくった。一月にこれらの山々に登るとき、富士山は全山が雪に被われた姿をあらわすが、空は晴れながらこちらの山々も山腹は雪である。ただ、富士山ほどには深い雪ではないので、私たちは、雪道を踏んで登る。そしてこれらの山々には花が多そうだと知って、また、花の頃に登る。
たとえば、杓子山は雪の中にヤマツツジやトウゴクミツバツツジの枝がいっぱいあるので、その花の盛りに登り、石割山は雪の下にはやばやとマツムシソウやギボウシの芽を見つけて秋に登る。御坂山塊には、スズランが咲くと聞けば六月ごろ登って黒岳まで歩き、御坂山では、スズランは見つからなかったけれど、クサタチバナに出あって赤城山以来とよろこび、ハルトラノオにあって|石裂《おざく》山と同じとよろこび、ミヤマヒゴタイらしいものに出あって変わったアザミねえと首をかしげ、レンリソウの鮮やかな紅を見て図鑑では知っていたけれどはじめて、とまたよろこび、ずい分花の多い山だとうれしがった。ここにはサラサドウダンもトウゴクミツバツツジも咲いている。とにかくこの古い海底火山の名残の山々には花が多いのである。レンゲショウマもヤマブキショウマもあった。
三ツ峠もまた、空が晴れていれば、雪を踏んで登るのにふさわしい山である。三ツ峠は中央高速の河口湖インターから湖畔に抜けるトンネルを通って三ツ峠登山口から登る。アカマツの多い道で、枝々にまだ雪が残っているアカマツの枝越しに白銀にかがやく富士を見る眺めは素敵だ。三ツ峠山の南面は絶壁になっていて、春から夏には岩登りの練習場になっているが、冬富士の展望台として、前面にさえぎるものがなく、右に河口湖、左に山中湖の氷結して光る鏡のような水面をしたがえ、富士がもっとも華麗に見える場所だと思う。
一月はじめにはまだ草の芽も雪の下で何も見えないけれど、山頂へ行く手前に大きな説明看板があって春から夏になると、このあたり一帯にカイフウロ、ヤエザキカイフウロ、コウシュウヒゴタイ、カイトウヒレン、ヤマナシウマノミツバ、カイホクチアザミ、ムラサキアズマハンショウヅル、ミツトウゲヒョウタンボク、ウスユキアツモリソウ、グンナイキンポウゲ、エダハリアザミ、ムラサキスイカズラが咲くと書いてある。眼につくのは、ヒゴタイ、トウヒレン、アザミと似ていてまちがいやすい花の多いこと。フジアザミもある。
山と渓谷社の『高山植物』の中に、アザミ属とトウヒレン属の見わけ方は簡単で、雌しべのつくり方が違い、アザミの方が先端が二つにわかれて平行して直立し、トウヒレンの方は二つにわかれて外側にそっくりかえっている、とある。そのちがいを眼でたしかめたい。
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