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花の百名山162

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:針《はり》ノ|木岳《きだけ》   キヌガサソウ ザラ峠を下って五色ケ原に登った時、悲運の武将佐々成政は、峠から道を東にと
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針《はり》ノ|木岳《きだけ》
   キヌガサソウ
 
 ザラ峠を下って五色ケ原に登った時、悲運の武将佐々成政は、峠から道を東にとって、刈安峠から平に出て、裏から針ノ木峠に向かい、織田信長の死後、いち早く遠州浜松の徳川家康と組んで、豊臣秀吉に対抗しようとし、越中富山から、雪の針ノ木越えをした。私がいったのは六月半ばなのに、道は半ば雪に埋もれていた。時は厳寒の十二月であったから、百人を超える武士やその案内人たちは、どんなに苦しんだことだったろう。
針ノ木岳の北面の雪渓は、いきなり急峻な角度を示し、大町温泉郷の「針の木荘」を朝の四時に出て、扇沢に四時半に着き、立山アルペンルートに集まるひとびとの混雑を避けて、すぐ灌木帯の道に入り、籠川沿いの河原を幾つかわたって谷をつめていったが、意外に早く、十一時には針ノ木小屋へつくことができた。
槍ケ岳の槍沢の方が、道も長く、下の方はだらだらのぼりで、疲れもひどく、時間をとったと思う。
しかし槍沢と同じように、針ノ木の谷も、一万年前まであったという氷河に削られた谷なので、上へゆくほど傾斜度を増し、八月の炎天に汗で眼が見えなくなるような大汗をかきかき、登ったが、花がいっぱいあって、大いに疲れを吸いとってくれた。まず大沢小屋から河原に下りると、ミソガワソウのうす紫の花の群落。河原から灌木帯に入ると、大輪のキヌガサソウ。また、河原に下りると、タテヤマウツボグサの濃い紫。そしてその年は雪が少ないとあって、雪渓は谷のまん中に細々と残り、自然と道は稲妻形に両側の草つきの岩場や、低いダケカンバの樹林帯から、ハイマツの中をゆくことになり、トウヤクリンドウ、タカネヨモギ、ミヤマウイキョウ、ミヤマコゴメグサ、タカネヤハズハハコと次々に顔や形のちがうのがあらわれて来た。ちなみに大沢から峠までの距離は、上高地の徳沢から、槍の頂きまでの三分の一である。
頂上へは翌朝三時半から登り、扇沢に十二時に下った。
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