日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 赤川次郎 » 正文

キャンパスは深夜営業18

时间: 2018-06-26    进入日语论坛
核心提示:18 小部屋の話 良二は、ウーンと呻《うめ》いて、目を覚ました。 何で、こんなに体が痛いんだ? 頭を振って起き上ると。ん?
(单词翻译:双击或拖选)
18 小部屋の話
 
 良二は、ウーンと呻《うめ》いて、目を覚ました。
 何で、こんなに体が痛いんだ?
 頭を振って起き上ると……。ん? 何だ、これ?
 左右を見回して、良二はギョッとした。何だか人相のあまり良くない男たちが、少なくとも七、八人、眠りこけている。
 一瞬、どこに泊ってたっけ、と考えてから思い出した。
 そうだ。ゆうべ……。
「おはようございます」
 と声がして、顔を上げると、宍戸がヌッと立っている。
「ど、どうも……」
「お嬢様がお待ちです」
「はあ」
 いつもの屋根裏だが、昨日まで二人だけの城だったのに、今や——何人いるんだろう?
 知香の主だった子分たちが、みんなここへ引越して来たのだ。
 朝までに全員をここへ上げるのは、大仕事だった。
「——おはよう」
 と、知香が、いつものテーブルで待っていて、キスしてくれる。
「今、何時だろう?」
「十一時。もちろん、お昼よ」
「音をたてて、大丈夫?」
「大丈夫。今日はここ、クラブがないの」
 知香は、良二にコーヒーを注いだ。「宍戸さん」
「はあ」
「二人きりの時間なの。あっちへ行っててよ」
「かしこまりました」
「カーテン、引いといてね」
 良二は、トーストをかじりながら、
「ゆうべの引越しは大変だったね」
 と、言った。「それに——あ、そうだ! あの事件は?」
「それが妙なのよ」
 と、知香は首を振った。
「というと?」
「TVも新聞も、まるで取り上げていないのよ」
「まさか!」
「本当よ」
 と、知香は、良二に新聞を渡した。
 なるほど、社会面を開いても、それらしい記事はない。
「どういうことだろう?」
「まだ発見されてないってことは考えられるわ。あのパトカーが、全然、別の事件で来たんだとすれば。でも、TVでもやってないってことは……」
「こんな時間で、まだ?」
「ホテルの人がのんびりしていて、起こしていないか、それとも——」
「それとも?」
「何かの事情で、警察が公表を押えているか、よ」
「そんなこと、あるのかい?」
「もちろんよ。——待って」
 知香は、立ち上ると、「宍戸さん、ちょっと来て」
「何か?」
「ゆうべ話したこと、憶えてるでしょ?」
「殺しの件ですね」
「そう。——ね、警察の方から、情報を集めてみてよ」
「分りました。じゃ、二、三、心当りを当ってみましょう」
 泥棒が、警察に情報源を持っているというのも、妙なものだ。
 良二は、すっかり感心してしまっていた。
「そうだわ、それより……」
 と、知香が、何か思い付いた様子で、「ね、宍戸さん。こうしましょう」
 と、言った……。
 
〈覗《のぞ》き部屋〉だと? フン、下らん!
 米田警部は、軽《けい》蔑《べつ》の目で、その看板を眺めた。
 どうせろくでもない女が、面白くもない裸をチラッと見せて、はいおしまい、ってなもんだ。いつもそうだからな。
 米田は、しかし、しばらくそれを見て、ためらっていた。
 呼出しがあったのは、確かに、この店の前である。しかし、時間はまだ大《だい》分《ぶ》早かった。
 だとすれば——周囲の様子を探っておくのも、警官としては、必要かもしれない。
「うん、これも任務だ」
 と、自分に言い聞かせるように肯きながら言って、その〈覗き部屋〉と書かれた入口から中へ入って行った。
「毎度どうも」
 と、声をかけられ、米田は仏《ぶつ》頂《ちよう》面《づら》で、
「俺は初めてだ」
 と、言い返したりした……。
 金を払って、開いているドアを開けた。
 腰をおろすと、もう身動きできない感じの小さな部屋。そこに、小さな窓がついていて、今は閉じている。
 米田は、それでも何となく落ちつかない気分で、エヘンと咳《せき》払《ばら》いしたり、意味もなく、左右を見回したりしていたが——何も見えやしないのである——その内、コトッと音がして、窓が開いた。
「——警部さん」
 と呼ばれて、びっくりした。
「ん?」
 窓の向うで、見たことのある顔が、笑っている。米田は唖《あ》然《ぜん》とした。
「あ! ——若林知香!」
「いらっしゃいませ」
 と、知香はいたずらっぽく言った。「残念ですけど、ヌードは見せられませんの」
「 おい! そこを動くな! 今——今——」
 ドアを開けて、飛び出そうとしたが……。「ドアが——畜生! どうなってるんだ!」
「開かないわよ」
 と、知香が言った。
「何だと?」
 米田は愕《がく》然《ぜん》として、「じゃ、ここへ閉じ込めるつもりだったのか!」
「あら、入って来たのは、そっちの勝手でしょう」
 米田も、そう言われると弱い。
「うむ……。しかし、これはずるい!」
 知香は笑って、
「私は、お話があって、来てもらったのよ。こんな風でないと、ゆっくり話もできないしね」
「何だ、一体?」
「一つは、笠間たちのこと」
「こっちの知ったことか」
「笠間たちがのさばったら、もっともっと凶悪な事件がふえるわよ。——もちろん、これは私たちの問題だけど」
「笠間は、なかなか抜け目のない奴《やつ》だ」
 と、米田は言った。「用心するんだな。大物とつながっているという噂《うわさ》だ」
「大物?」
「それが誰かは知らん。しかし、かなり、政界の上の方の誰かだってことだ」
「政界の……。そうか、それであんなに強気なのか」
 と、知香は肯《うなず》いた。
「お前じゃ、とても相手にならんぞ」
「心配してくれるの?」
「お前が殺されちゃ可哀そうだ、と思ってるだけだ」
「ありがとう。結構やさしいんだ」
「何を言うか! この手でお前に手錠をかけてやるぞ」
「その時が来たらね。——もう一つ、訊きたいんだけど」
「何だ?」
「昨日、〈K〉ってラブホテルで、女が殺されたでしょ」
「何だと?」
 米田が目をむいた。
「そういう話、入ってない?」
「うむ……。確かに、そんなことは聞いたが……。しかし、あれは——」
「報道してない。どうして?」
 米田は、知香の顔を覗《のぞ》き込んで、
「どうしてそんなことを、お前が知ってるんだ?」
 と、言った。
「わけがあってね。ね、教えてよ、どうしてなの?」
「うむ……。よくは知らん」
 と、米田が目をそらした。
「どうして隠すの? 死体の身許だって、分ってるんでしょ? 平田千代子だって」
 米田は、ため息をついて、
「そこまで知ってるのか」
「どうして公表しないの?」
「事情があるからだ」
「どんな?」
「言えん」
 知香は、しばらく間を置いて、
「もしかして……警官がやったんじゃないか、とか?」
「そんなことは——言えん!」
 米田は、ますます渋い顔になった。
「そこまで言ったら同じよ。教えてよ。ねえ?」
 米田は、しばらくして肩をすくめ、
「いつまでも伏せちゃおけんしな……。いいだろう」
 と、言った。「女と付合っていた男の名が出たところで、ストップがかかったんだ」
「どうして? 男って誰?」
「うむ。——お前の通っていた大学の、金山という教授だ」
 金山が、平田千代子と? 知香はびっくりした。
「でも——金山先生だと、何で警察がまずいの?」
「金山教授というのは、今の警察庁の金山長官の弟なんだ」
「長官の……」
 知香は肯いた。
 金山と平田千代子。——果して本当に、二人は関係があったんだろうか?
 そう。それとも、平田教授がそう言ったのか。
「——ありがと、米田さん」
 と、知香は言った。「バイトの女の子のヌードでも見る?」
「いいから、出してくれ」
「五分したら、そのドアが開くわ」
 知香はニッコリ笑って、「バイバイ」
 と手を振り、窓を閉めたのだった……。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%