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静かなる良人12

时间: 2018-08-19    进入日语论坛
核心提示:11 サンタクロースの妻「いや、酒も嫌いな方じゃないけど、こういうときのコーヒーは旨《うま》いです」 と、平石は言った。 
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 11 サンタクロースの妻
 
「いや、酒も嫌いな方じゃないけど、こういうときのコーヒーは旨《うま》いです」
 と、平石は言った。
 実際、仕事の上でのお酒など、一向に酔いもしないだろうし、おいしくもないだろう。
 レストランで、コーヒーを飲みそこなっていたので、私もゆっくりと熱い苦味を味わった。
 あのレストランに近いカフェで、ちょうど通りを見下ろすようになっている。もう大分遅くなっているのに、席の三分の二は埋っていた。
「昨夜、千田社長とお話ししました」
 と私は言った。
「そうですか」
 と、平石は、ちょっとびっくりした様子になって、
「大丈夫でしたか?」
 と訊いた。
「は?」
「いや──つまり──一緒に食事でもされたんですか?」
「ええ。でも、途中で失礼してしまいましたわ」
「それならいいですが……」
 平石はちょっと苦笑して、「何しろあの社長、女性に手の早いのでは有名なんです」
「まあ」
「今までにも、会社の女の子が、少なくとも四、五人はそのせいで辞めていますよ」
「そうですか……」
「全く呑《のん》気《き》だな。昨日はそれどころじゃなかったはずなのに」
 と平石は苦々しい顔で言った。
 もちろん、平石は、柏木幸子がお金を持ち逃げしたことを言っているのだろう。まさか千田がそれを私にしゃべったとは思っていないのだ。
「社長さんから、主人のこと、話していただきましたけど、私には何だか信じられなくて。──一度、平石さんからもうかがいたいと思っていたんですの」
「そうですか」
 平石は肯いた。「ご主人からは何も聞いておられないんですね?」
「一言も。──それこそ寝耳に水ですわ」
「なるほど。いや、僕も彼とは長い付合いでしたから、びっくりしてしまったんです。もちろん、ご主人はああいう人だから、酔ってグチを言い合うということはありませんでしたがね。でも、それなりに、ご主人のことは理解しているつもりでした」
 私だってそうだった、と心の中で呟《つぶや》く。でも、私が知っていたのは、夫の、いくつもの顔の中の一つに過ぎなかった……。
「じゃ、事実なんですね、夫が会社側について……」
「ええ。その辺の事情を一応お話ししましょう」
 平石の話は、千田のそれと大差なかった。少なくとも、千田も正直に話をしていたらしい。
「──でも、主人がなぜ社長さんの言いなりになったのか、それが分りませんわ」
「そこなんですよ。僕も未《いま》だに信じられないような気持です。河谷君は、そんなことをする奴《やつ》じゃなかった。たとえ、課長の椅子を目の前にぶら下げられたとしても、ですね」
「あの人は、もともと出世したいと思っていませんでしたわ」
 と私は言った。
「そうですね。本当に欲のない男だった」
 と、平石は微笑んだ。
 欲がない。──そう、夫は欲のない人だった。そこそこに働いて、一応ちゃんと食べて行ければ、それで充分という考えだった。
 あの志村という若者を助けようとしたのも、孤児たちの学校に毎月プレゼントを持って行ったのも、その意味では夫らしい行為である。
 しかし、組合の仲間を裏切ったこと、それだけは、いかにも夫らしくないことだった。
「そのことで、主人と話したことは?」
 と私は訊いた。
「何度もね」
 と肯いて、「しかし、いつも僕が一方的に彼を責めるだけでしたね。──今思うと、きっと彼も苦しかったんだと思うけど。僕もあのときはカッとしていたから……」
「主人は何も言わなかったんですか」
「ええ。ただ黙っているだけでね……。だから、こっちもますます苛《いら》々《いら》して。どうにも話になりませんでしたよ」
 夫は何を考えていたのだろうか?
 夫が好んで仲間を裏切ったのでないことは、私にも確信がある。つまり、千田が、何か夫の弱味を握っていたのだ、と考えても間違いないだろう。
「結局、そのまま、なしくずしにストは終り、千田体制は安泰だったわけですがね」
「平石さんは大丈夫だったんですか?」
「ああ、僕はもう出世なんて、はなから諦《あきら》めてますよ。いつもにらまれる立場ですからねえ」
 平石は軽く笑った。
「でも、主人のせいで、何かあったら申し訳ありませんわ」
「もうこれだけたって、クビにもならないから、大丈夫でしょう。むしろ、彼の方が苦しんでいただろう、と思うと、その方が気になります。まあ──自殺ではなかったわけだけれど」
「そうですね。でも、なぜ主人は社長さんの言うなりになったのか……。きっと何か弱味をつかまれていたんだと思うんですけど」
「それは僕も考えました。おそらくそうだったんでしょう。彼にもそう訊いてみたんですが、黙っていました。肯定もしなかったけど、否定もしませんでした」
「その弱味が何だったのかは──」
「分らずじまいです。僕にも見当がつかない。何にしろ、それを種に、彼に裏切りを強《し》いた千田のやり方は卑劣ですよ」
 昨日、ワインでも頭からかけてやれば良かったわ、と私は思った。二度と会いたくもないが、もし会ったらそうしてやろう。
「ご主人を殺した犯人は見当がついたんですか?」
 と、平石が訊いた。
「いいえ。今のところはまだ……。私も疑われてたんですけど」
「奥さんが? まさか!」
「あんまり模範的な妻ではなかったもんですから」
「そんなことを言えば、うちの女房もすぐ逮捕だな」
 と平石は言った。「──さっき一緒にいた方は?」
「あれですか。かつての恋人ですの」
「じゃ、結婚前にお付合いがあった──」
「いえ、結婚後に、です」
 平石は、ちょっとキョトンとして、
「そうですか。いや、正直な方だな、奥さんは」
 と笑った。
「それだけが取り柄ですの」
 私はそう言って、コーヒーを飲み干した。
 
 翌朝は、九時頃に目が覚めた。
 電話が鳴っていて、出ると母からだった。少し父と二人で旅行に出るという。
「よかったら一緒に行かないかい?」
 母の心づかいは嬉《うれ》しかったが、近所の風評や、あのいやがらせ電話などで疲れて、しばし逃げ出すのだろうと考えると、却《かえ》ってそれに甘えるわけにはいかない。
「悪いけど、まだ片づけなきゃならない仕事があるの。お二人で、のんびり行ってらっしゃいよ」
「そう? じゃ、そうするよ。もし暇ができたら後からおいで」
「そうね。そうするわ。──あ、待って。どこに行くかも言ってないじゃないの」
「あ、そうか。だめね、少しボケて来て」
「しっかりしてよ、出戻りの娘がいるんですからね」
 私は、母の言う旅館の電話番号をメモした。「──分ったわ。じゃ、気を付けて」
「お前もね」
 ゆうべ殺されそうになったなんて話したら、どうなるかしら、などと考えた。
「荷物は? 駅まで送ろうか?」
「大丈夫よ。父さんと二人だもの、大した荷物じゃないからね」
「それじゃ。──気をつけて、行ってらっしゃい」
 私は電話を切った。
 のんびりしてはいられない。早く犯人を見付けるのだ。
 顔を洗って、さっぱりすると、さて、これからどうすればいいかと考えた。
 もともと、私は私立探偵でも何でもない。捜査の方法も、順序も、何一つ分らないのである。──なまじ、余計な口を出して、捜査の邪魔をするより、おとなしく、警察の解決を待っている方が利口かもしれない。
 だが、それでは私自身、気が済まなかった。どうして、と訊かれれば答えようがないが、自分のことは、自分で決着をつけなくてはならないという気がする。
 夫のことが、今になってあれこれと分って来ると、却って、その思いは強まっていた。夫が生きている間に、夫にしてやれたことはあまり多くない。だから、今、何かしてやりたい、と思ったのだ。
 といって、私のできることなど限られているが……。
 そうだ。田代のことがある。あの借金の件を問い詰めてみようか。──もっとも、一人では少々心細い。知子にでも電話をして、一緒に会ってみてもいい、と思った。
 ともかく、田代の会社へ電話してやろうかと思ったのだが、名刺がどこへ行ったのか、見当らない。昨日の「保育園」騒ぎでどこかへ行ってしまったのかもしれない。
 あちこち引っくり返していると、玄関のチャイムが、あわただしく鳴った。
 私は、インタホンで、
「どなたですか?」
 と呼びかけたが、返事はなく、ただしつこくチャイムが鳴るばかりだ。
 いささか不安になって、玄関へそっと降り、凸レンズの覗《のぞ》き穴から外を見ると、何だか、いやにやつれた感じの女が立っていて、苛《いら》々《いら》とチャイムを鳴らしている。一向に見憶えがないのだが……。
 私は仕方なくドアを開けた。
 女は、ドアが開いて、ちょっとびっくりしたように目をパチクリさせている。
「何かご用ですか?」
 と言うと、
「奥さんですね」
 と、少し甲《かん》高《だか》い声で言う。
「ええ」
「主人がひどい目に遭ってるんです! あんたのせいよ!」
 と、いきなり私につかみかかって来る。
 二日も続けて首を絞められちゃかなわないので、私は、逆に女を突き飛ばしてやった。見かけも頼りないが、ちょっと突いただけなのに、よろけて玄関にペタンと尻もちをついてしまった。
「少し落ち着いてよ」
 と私は言ってやった。
 女は、ハアハア喘《あえ》いでいる。私は女に手を貸して、立たせてやった。
「あなたは誰?」
「あの──田代といいます」
 女は多少穏やかな口調になって、言った。
「ああ、じゃ、田代さんの奥さん? 一体どうしたっていうの?」
「あの──主人が──主人が──」
 何だかやたらにハアハアやっているので、今日は少し酸素でも薄いのかしら、とこっちまで気になり出した。
「ともかく、お上りなさいよ」
 私は、田代の奥さんにそう言って、居間へと通した。
「すみません。つい、取り乱して」
 と、田代の奥さんは大分落ち着いた様子だった。
「ご主人がどうしたんですって?」
「あの……金を返せと迫られて」
「借金を?」
「そうなんです。ひどいんです。あの連中……夜中に叩《たた》き起こしたり、のべつまくなしに電話をかけて来たり……」
「取り立て専門の人たちでしょう」
「それも暴力団か何からしいですわ。──主人、今までにもサラ金なんかの借りが返せなくて困ったことはありましたけど、今度みたいにひどいのは初めてです」
 それでやつれているのか。私も、そういう目にあった人の話を、耳にしたことはあるが、ともかく、ノイローゼになって、夜逃げしたくなるほど、しつこく、強硬に取り立てに来ることもあるらしい。
 もちろん、借りたのが悪いと言ってしまえばその通りだが、人間なんて弱いものなのだ。つい、今日一日がしのげるとなれば、その後のことも考えずに、高利の金でも借りてしまう……。
「このところ、子供ともども、ほとんど寝ていなくて……」
 と、田代の奥さんは、疲れ果てた様子で言った。
「で、今、ご主人は?」
「家にいます。出られないんです」
「どうして?」
「外で、あの男たちが見張ってるんですもの……」
「そう。よく出られたわね」
「ええ。お金をともかく工面してくるから、と言って。──でも、夕方までに戻らないと、主人は半殺しの目にあわされます」
 グスン、とすすり上げる。
 どうにも、こういう惨めな様子には弱いのだ。といって、借りてもいない借金を返すわけにもいかない。
「ご主人は、ここにお金を貸してあるとおっしゃったのね?」
「はい……。そうじゃないんですか?」
「確かに、ご主人は、うちの亡くなった主人の借用証を持ってるわ。でもね、あれは、偽物なの」
 私は、あの借用証と印鑑のことを、説明してやった。──相手が食いついてくるかと思ったのだが、意外に平静で、
「そうですか」
 と肯く。
「察してたの?」
「ええ。そんなことじゃあないかと思ってましたわ」
 と、息をついて、「いつもお金を借りてるあの人が、人に貸すなんて、そんなことありっこないわ」
「私も、あの三百万円、素直にお払いしちゃったら、困っちゃうしね」
「ええ、よく分ります」
 と、奥さんは床に目を落とした。「あの人は──自《じ》業《ごう》自《じ》得《とく》ですよ。いつも嘘《うそ》ばかりついていて。女を作っちゃ、金を巻き上げられて、借金し、賭《か》け事をやっちゃ借金し……。不器用で、何もできない人なんです。負けるに決ってる賭け事なんか、よしゃいいのにと思うんですけどねえ……」
「ずいぶん苦労したのね」
「そうですよ。実家の方へも、泣きついて、お金をつくってもらったり……。その都《つ》度《ど》二度と女や賭け事には手を出さないと誓うんですけど、またひと月もすると元の通りで……」
「それじゃ、誰も貸してくれなくなるでしょうね」
「それに、私の実家だって、別に金持ってわけじゃなし、お金なんてありませんよ、そんなに」
「お子さんは?」
「一人です。女の子でね。今、八つなんですけど……。あの人、子供だけは可愛《かわい》がるんですよ。それだけが取り柄かしらね」
 色々な夫婦があるものだ、と思った。私たちのような夫婦、あの杉崎たちのように、冷え切った夫婦、それにこの田代夫婦のように、おそらくはののしり合いながらも、離れられずにいる夫婦……。
 それに──そうだ、夫婦ではないが、柏木幸子と志村一郎のように、追われながら、結びついている男女もいる。
 あの二人、どうしたのだろう? いっそ捕まっていれば、まだ救われるような気もするが……。
「今、子供さんは?」
 と私は訊いた。
「家にいます。──本当は連れて出たかったんです。父親が殴られるところなんて、見せたくありませんものね」
 と、田代の奥さんは、ひきつったような微笑を見せて、「でも、だめだって……。子供を連れて、どこかへ私が逃げちゃうんじゃないかと思ってんですよ」
「それで一人で……」
「もう行く所もありません。実家へ顔を出したって、お金なんて残っちゃいないに決ってるし、主人の実家はもうとっくになくなってて……。大体、ああいうだらしのない人でしょう。親類からも絶縁されちゃってるんです」
「それはひどいわね。──私が口出しすることじゃないと思うけど、あなた、別れた方がいいと思うわ」
「そうですね」
 と、弱々しい口調で、「毎日一度はそう考えるんですけどね。でも、一人になって──いえ、あの子と二人で、どうやって食べて行こうかと思うと……」
「働く所はあるわよ」
「でも、私、何もできませんし、ご覧の通り体もあまり丈夫じゃないんで、とても、自信ありません……」
 私は、ちょっと苛々した。確かにこの女も運が悪いには違いないが、運は与えられるだけのものではない。自分で切り開く気力を持たずに、ただ不幸を嘆いているだけでは、どうにもならないのだ。
 しばらく、私たちは黙って坐《すわ》っていた。
 何とも、やり切れないような、重苦しい沈黙だった。──やがて、田代の奥さんは立ち上った。
「帰ります」
 と、頭を下げて、「どうもお騒がせしまして」
「それはいいけど……」
 私は、放っておけ、と思いながら、つい訊かずにはいられなかった。「これからどうするの?」
「さあ……」
「子供さんが残ってるんじゃ、帰らないわけにもいかないでしょう」
「ええ。仕方ありません。まさか殺されることもないでしょうし……」
「じゃ、黙って殴られてるつもり?」
「自分のせいですもの、文句も言えませんし……」
「でも、子供はどう? 自分の目の前で父親が殴られているのを見たら──」
 私は言葉を切った。こんなことを言っては私の負けだ。
「いいわ、分った。──じゃ、百万だけ、あなたに貸すわ。それで当座は何とかなるでしょう」
「え?」
 と、ポカンとした顔で、「でも、そちらから返していただくわけには──」
「もちろん、返すんじゃないわ。借りてもいないお金、返せっこないでしょ。だから貸してあげるのよ。いつでも、出来たときに返してくれればいいわ」
「そうしていただければ、助かります。必ずお返ししますから」
「やめて、そんなに──ほら、頭を上げてちょうだい」
 私は立ち上って、「お金はおろして来ないと、ここにはないわ。一緒に銀行まで行きましょう。仕度をしてくるから待っててね」
 私は、自分に腹を立てながら、手早く着替えをした。──結局、あの女、最初から泣き落として金を借りるつもりだったのではないか。
 疑いたくはないが、ああいう亭主を持っていては、妻の方だって、金の借り方がうまくなるのではないか。
 もちろん、百万円、捨てるようなものだと思わなくてはならない。お金があり余っているときの百万じゃないのだ。
「馬鹿ね、あんたも」
 と、私は鏡の中の自分に、そっと声をかけた。
 一体、いつからそう、人が良くなっちゃったの?──もしかしたら、夫の「サンタクロース伝説」に感化されてしまったのかしら。
「サンタクロースにも、浮気性の奥さんがいたのかな」
 と、私は呟いて、預金通帳と印鑑を取り出した。
 ちょうど、お昼休みの時間のせいか、銀行は近くの会社のOLなどで、混み合っていた。
 田代の奥さんを表に待たせて、中で引き出しの手続きを取った。
 十分近く待って、やっと名前を呼ばれる。
「百万円でございますね」
 当りの柔らかい、若い男性が窓口に坐っている。「何かにお使いでございますか」
 使うからおろすのよ、と言ってやりたかったが、そこは、ちょっと笑顔を見せて、
「身代金を払うのよ」
 と、言った。
 目をパチクリさせている銀行員を後に、さっさと外へ出る。
 田代の奥さんが、わきの方で小さくなって坐っていた。
「さあ、これ」
 と、封筒のまま、彼女のバッグへ入れてやって、「気を付けて帰ってね」
「本当にすみません」
 と何度も頭を下げる。
「そうだわ」
 と私は言った。「その主人の借用証のことで、一度ご主人と話したかったの。今日、お宅へ伺うわ」
「はあ。それはもう……」
「今すぐじゃ、そちらも困るでしょうから、そうね……三時頃。構わない?」
「ええ、お待ちしています」
「場所を教えてくれる?」
 田代の奥さんが、ちょうど銀行でくれたメモ用紙に、地図を書いた。
「──じゃ、三時頃にね」
 と、私は念を押した。
 田代の奥さんは、そそくさと、駅の方へ歩いて行く。
 これで田代の方も、白状しないわけに行かなくなるだろう、と思った。そうなれば、あの百万円も、多少は役に立つことになる。
 もっとも、白状して、どうということがないと分ったらがっかりだけれど。それにしても、あの印鑑の件だけは、はっきりさせておきたい。
 駅前に立って、朝から何も食べていなかったことに気が付いた。──せっかくここまで来たのだ。どこかで食事をして、少し時間を潰《つぶ》し、それから田代の所へ行こう、と思っていると、誰かがポンと肩を叩いた。驚いて振り向くと、
「今からお宅へ伺おうかと思っていたんですよ」
 落合刑事の顔があった。
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