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迷子の花嫁11

时间: 2018-08-27    进入日语论坛
核心提示:エピローグ「行ってらっしゃい」 と、亜由美は手を振った。「色々ありがとう」 と、小夜子が言った。「あなたたちのおかげだわ
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 エピローグ
 
「行ってらっしゃい」
 と、亜由美は手を振った。
「色々ありがとう」
 と、小夜子が言った。「あなたたちのおかげだわ」
「さ、行こう」
 と、促したのは、もちろん久井隆。
 少し遅れたハネムーンに、成田から飛び立つところである。
 亜由美、聡子、ドン・ファンの三人[#「三人」に傍点]は、見送りに来たのだった。
「——いいご主人ね」
 と、聡子が言った。「あんなことあっても、怒りもしないで」
「人間誰しも過ちはあるって」
 と、亜由美は言った。
「クゥーン……」
「あれ?」
 と、亜由美が目を丸くしたのは——。
「あら、来てたの」
 大倉貞男と有紀の二人である。
「お二人で?」
「ええ。第二のハネムーンでね」
 と、有紀は微笑《ほほえ》んだ。
「もう一回やり直そうってことになってね」
 と、大倉は言った。
「いいなあ、羨《うらや》ましい」
 と、聡子が言って、亜由美につつかれている。
 大倉夫妻もついでに[#「ついでに」に傍点]見送って、亜由美たちは、息をつくと、
「さて、帰るか」
 と、歩き出した。「聡子、途中で何か食べてくでしょ」
「うん。——あの人が、内山広三郎の会社を継ぐんでしょ?」
「らしいね」
「就職の世話してくれないかなあ」
「夢は小さいね」
 と言って、亜由美たちは大笑いした。
 成田の混雑の中を、ドン・ファンは、行き交う人々に踏みつぶされないよう、必死ですり抜けながら、二人の後について行くのだった……。
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