ハリーは一いっ瞬しゅん迷ったが、マフラーを顔からはずし、ロンが息を呑のむのもかまわず、慎しん重ちょうにマフラーでネックレスを覆おおって拾い上げた。
「これをマダム・ポンフリーに見せる必要がある」ハリーが言った。
ハーマイオニーとリーアンを先に立てて歩きながら、ハリーは必死に考えをめぐらしていた。校庭に入ったとき、もはや自分の胸だけにとどめておけずに、ハリーは口をきいた。
「マルフォイがこのネックレスのことを知っている。四年前、ボージン・アンド・バークスのショーケースにあった物だ。僕がマルフォイや父親から隠かくれているとき、マルフォイはこれをしっかり見ていた。僕たちがあいつの跡あとをつけていった日に、あいつが買ったのはこれなんだ! これを憶おぼえていて、買いに戻もどったんだ!」
「さあ――どうかな、ハリー」ロンが遠えん慮りょがちに言った。
「ボージン・アンド・バークスに行くやつはたくさんいるし……それに、あのケイティの友達、ケイティが女子トイレであれを手に入れたって言わなかったか?」
「女子トイレから出てきたときにあれを持っていたって言った。トイレの中で手に入れたとはかぎらない――」
「マクゴナガルが来る!」ロンが警告けいこくするように言った。
ハリーは顔を上げた。たしかにマクゴナガル先生が、霙みぞれの渦巻うずまく中を、みんなを迎えに石段を駆かけ下りてくるところだった。
「ハグリッドの話では、ケイティ・ベルがあのようになったのを、あなたたち四人が目もく撃げきしたと――さあ、いますぐ上の私わたくしの部屋に! ポッター、何を持っているのですか?」
「ケイティが触ふれた物です」ハリーが言った。
「なんとまあ」
マクゴナガル先生は警けい戒かいするような表情で、ハリーからネックレスを受け取った。
「いえ、�>
第12章 シルバーとオパール Silver and Opals(15)
ハリーは一いっ瞬しゅん迷ったが、マフラーを顔からはずし、ロンが息を呑のむのもかまわず、慎しん重ちょうにマフラーでネックレスを覆おおって拾い上げた。
「これをマダム・ポンフリーに見せる必要がある」ハリーが言った。
ハーマイオニーとリーアンを先に立てて歩きながら、ハリーは必死に考えをめぐらしていた。校庭に入ったとき、もはや自分の胸だけにとどめておけずに、ハリーは口をきいた。
「マルフォイがこのネックレスのことを知っている。四年前、ボージン・アンド・バークスのショーケースにあった物だ。僕がマルフォイや父親から隠かくれているとき、マルフォイはこれをしっかり見ていた。僕たちがあいつの跡あとをつけていった日に、あいつが買ったのはこれなんだ! これを憶おぼえていて、買いに戻もどったんだ!」
「さあ――どうかな、ハリー」ロンが遠えん慮りょがちに言った。
「ボージン・アンド・バークスに行くやつはたくさんいるし……それに、あのケイティの友達、ケイティが女子トイレであれを手に入れたって言わなかったか?」
「女子トイレから出てきたときにあれを持っていたって言った。トイレの中で手に入れたとはかぎらない――」
「マクゴナガルが来る!」ロンが警告けいこくするように言った。
ハリーは顔を上げた。たしかにマクゴナガル先生が、霙みぞれの渦巻うずまく中を、みんなを迎えに石段を駆かけ下りてくるところだった。
「ハグリッドの話では、ケイティ・ベルがあのようになったのを、あなたたち四人が目もく撃げきしたと――さあ、いますぐ上の私わたくしの部屋に! ポッター、何を持っているのですか?」
「ケイティが触ふれた物です」ハリーが言った。
「なんとまあ」
マクゴナガル先生は警けい戒かいするような表情で、ハリーからネックレスを受け取った。
「いえ、いえ、フィルチ、この生徒たちは私わたくしと一いっ緒しょです!」
マクゴナガル先生が急いで言った。フィルチが待ってましたとばかり「詮索せんさくセンサー」を高々と掲かかげ、玄げん関かんホールの向こうからドタドタやって来るところだった。
「このネックレスを、すぐにスネイプ先生のところへ持っていきなさい。ただし、決して触さわらないよう。マフラーに包んだままですよ!」