2021-08-29 蘭堂は病人を余り昂奮させてはとの気遣(きづか)いから、京...
2021-08-29 蠢く者 京子の傷口が癒(い)えて病院から自邸に帰ったのは、...
2021-08-29 何とも云えぬ気味の悪い音が、部屋中に響渡った。だが、ア...
2021-08-29 「僕はこう思うのです」 騒ぎが静まると、蘭堂が話しつづけ...
2021-08-29 片手美人 京子の居間は、十畳程の洋室で、一方の隅には彫刻...
2021-08-29 「それではやっぱり、で、御容態はどんなですか」 京子は負...
2021-08-29 令嬢消失 大江蘭堂は、その生腕の小指にある、小さな傷痕に...
2021-08-29 流し場に放り出されたものは、正(まさ)しく人間の手首であ...
2021-08-29 「じゃ、あたし、一寸失礼しようかしら。先生に番兵をお願い...
2021-08-29 浴槽の怪 再び警察官の来邸を乞(こ)い、前(ぜん)同様捜索が...
2021-08-29 けだものと人間とは、一かたまりに組合って、床の上を転げ...
2021-08-29 「もうお暇(いとま)します。おそくなると家(うち)で心配しま...
2021-08-29 妖術 間もなく数名の警官が駈けつけて、庭は勿論邸内隈くま...
2021-08-29 蘭堂は相手の余りの素早さにあっけにとられ、一瞬間塀の下...
2021-08-29 未亡人 襟髪を掴まれた乞食は騒ぐ様子もなく、ふてぶてしく...
2021-08-29 指さす砂浜を見渡すと、人通りのない広い地面に、乞食の足...
2021-08-29 尾行曲線 飛行機は飛び去っても、彼の残した煙幕文字は、ボ...
2021-08-29 畳の様におだやかな大海原の上、晴れ渡った紺青(こんじょう...
2021-08-29 空中の怪文字 その翌日、大江蘭堂は鎌倉(かまくら)に住んで...
2021-08-29 だが、大江蘭堂はそれと知る由(よし)もなく、テーブルの上...